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2006年9月15日 (金)

54 技術者倫理

硬い話ばかりのこのブログにアクセスいただいている皆さんには深く感謝いたします。もう少しやわらかくしようとは心掛けてはいるのですが、性格もありなかなか難しいです。今回もかなり硬いです。

さて日本ほど技術者が「産業の道具」になっている国はありません。欧米では、技術者は医者や弁護士同様のプロフェッションとして社会的地位や収入が約束されます。勿論、そうあるためには狭き門をくぐり抜け、高い倫理観を持ち続ける事が求められるのです。通常欧米の技術者は、技術者協会などに属した上で企業などに職を得るのですが、それぞれの技術者協会には「倫理綱領」なるものが燦然と存在するのです。その中には、技術者として為すべき事、してはならない事が明確にうたわれています。しかしそこまでしても、素行の悪い技術者によって、いくつかの深刻な問題が発生してきたのも事実です。しかしこれは倫理を意識した上での確信犯です。

それに比べ日本の技術者の情けない事は群を抜いています。まず日本の技術者は企業だけに属し、企業の言いなりです。間違って?ある技術者がナントカ学会などに属しているとしても、その学会にはまともな「倫理綱領」は存在しないか、あっても欧米のそれの焼き直し程度にとどまっています。その結果、企業や技術者が引き起こした事件は、高度成長期の公害問題にとどまらず、列島改造という名の国土の荒廃事件や野放図な都市化、廃棄物を全く想定しない大量生産技術など、枚挙に暇がありません。結局、日本の技術者は企業の収益構造を支えるためのエンジンであり、手段ではあっても、技術者倫理などという言葉を一度も考えた事がない人が殆どでしょう。何より技術者倫理などという科目は、工科大学ではあまり教えていないでしょうから、普通の技術者は一企業の中だけで経験を積み、技術者倫理を意識しないまま(悪意無く)多くの問題を起こし、それを先送りしたまま年老いていく訳です。

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