« 55 「量的に正しくない」技術 | トップページ | 57 体あっての脳 »

2006年9月16日 (土)

56 技術者倫理2(定番商品)

くどい様ですが、技術者倫理・企業倫理について付け加えます。倫理観の無い(薄い)企業や技術者は、市場を「製品の実験場」にしてしまいます。つまり、新しい製品が出来たら取り敢えず「市場に投げ込んでみる」訳です。他社より先に市場に投入し、幸いにもヒットすれば、より大きな利益が確保できるからです。その結果、これまでに如何に多くの欠陥商品が市場に投げ込まれた事でしょう。死人が出る様な製品は、流石にマスコミに叩かれますが、消費者が知らない間に市場から引き抜かれ闇から闇へ葬られた欠陥製品は、多分無数に存在する筈なのです。良心的な製品開発では、徹底した商品テストが繰り返される結果、例えば3-4年の開発期間が必要なはずですが、1年と持たない製品サイクルの市場では開発期間が半年程度のものも少なくないでしょう。これでは、直接市場で製品の耐久試験や安全性の評価を行っているのと変わらないでしょう。

これは想像ですが、P社のガス湯沸かし器の欠陥は、低温では劣化し割れる事がある鉛ハンダの性能評価を十分に行っていなかった事に根本原因が認められる筈です。北海道で事故が多く発生している事がそれを物語ります。一方短いモデルチェンジの期間は、環境にも全くやさしくありません。買い替えによって、多量の粗大ゴミが発生するからです。そうではなくて、徹底的に安全性やLCAによる環境負荷低減を追及し、モデルチェンジをしない「定番製品」を10年、20年と作り続け、売り続けていく企業姿勢や技術者の姿勢こそが、これからの時代に求められると思うのです。修理より買い替えが安いという今の時代は、間違いなくどこかが狂っています。

|

« 55 「量的に正しくない」技術 | トップページ | 57 体あっての脳 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 56 技術者倫理2(定番商品):

« 55 「量的に正しくない」技術 | トップページ | 57 体あっての脳 »