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2006年9月20日 (水)

64 目的と手段のすり替え

少し前、体の存続が目的であり、脳はそれを達成するための手段に過ぎないという意味のことを書きました。ここで改めて「目的」と「手段」のことを考えて見ましょう。分かりやすい例です。お金を儲けることは目的でしょうか手段でしょうか。お金の歴史を見れば明らかですね。古くは、人々は物々交換によって価値を交換していましたが、それでは不便なことも多かったので通貨が発明されました。つまり、お金は価値を交換するための「手段」であったわけです。

しかし何時の頃からか、お金儲けがビジネスの目的になってしまいました。今の世の中では、最初手段であったものが目的になった例は数え切れないほど見つけることが出来るでしょう。官僚組織、大学・学校、全ての企業、銀行、自治体、国際貿易、全ての輸送・交通機関、全ての市場などなど。これらの「手段」は今や殆ど例外なく「目的」になってしまいました。例えば役人は、自分の官僚組織の権限を維持することを目的に行動していますし、独法化後の大学は、もはや学生の教育の場ではなく構造の維持自体が目的となりつつあります。普通の人間はといえば、心ゆたかに生きることが目的ではなく、モノに囲まれて生きることが目的となってしまいました。もう一度、人間は「何のために生きているのか」「会社は何のために作られたのか」を考えてみる必要があります。確かに難しい問ではありますが、時間を沢山持っていた昔の人は、暇に任せて実に深くこのことを考えてくれていました。例えば何冊かの優れた哲学書にはそのヒントがちりばめられています。目的を本来の軌道に戻しさえすれば、環境問題も自然に軽減されるはずです。完全な解決は無理でも。

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