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2006年10月15日 (日)

102 人工環境維持業

農業や林業は実は「産業」ではありません。少なくとも投稿者は、経済的な意味での産業と位置づけてはならないと考えています。農林業は植物資源を基にした生業(なりわい)ではあっても、お金だけで決済する経済の仕組みには元々馴染みにくいものだからです。何故なら、例えば食糧は、お金の有る無しに関わらず、全ての人が一定量を必要とする資源です。しかしそれが「商品」として位置づけられた瞬間、見栄えや食味や季節を問わず手に入ることが「商品価値」になってしまいます。しかし食糧としての本来の機能や価値は、体に取り込まれて「栄養」となり人々の生命を維持することだけです。

一方で農林業は、林地や農地の状態を何百年も維持し続けるための人間の根源的な活動でもあります。それが出来なければ、林地はやがてハゲ山か価値のない荒地になり、農地も雑草だらけになるか自然林に吸収されてしまうでしょう。このような土地は水源としての能力が著しく低下し、慢性的な洪水の原因ともなってしまいます。一方で林地や農地は人間の努力無くしては維持できない「人工環境」でもあるのです。したがって、農林業は「人工環境維持業」であるという結論になります。問題は、経済主義の社会では、誰もこの維持のためのコストを負担しようとは考えないという事です。結果、木材や食料の多くが輸入され、国内の林地や農地は放棄され、荒れるに任せている現状がある訳です。繰り返しますが、農林業は産業ではありません。

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