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2006年10月 6日 (金)

88 社会的技術

20世紀の技術はもはや成熟してしまっているように見えます。例えば、エアバス社の600人乗りの旅客機が就航しようとしていますが、実は1960年代末には既に500人乗りのジャンボジェット機が飛んでいたわけです。原子力発電所や火力発電所の効率も、1970年代には既に現在の効率をほぼ達成していました。ガソリンエンジンで走る車は、もはや外観デザインと室内装備でしか差別化できないほど成熟した製品となってしまいました。

しかしながら、これら多くの製品やサービスは個人や企業向けのものでしかありません。「社会的技術」と呼ばれるものは、例えばインフラと呼ばれる社会の基盤に向けた技術であり、地域の産業を活発にする技術であり、より多くの市民の福利厚生に役立つ技術のことです。しかし、これらの技術は儲からないという理由だけで、この数十年間は足踏みを続けている訳です。

その例としてゴミの収集と処理を見てみましょう。相変わらず、ビニール袋に入れゴミステーションに置かれたゴミを、ごみ収集車を使って集め、焼却場か埋立地に運んで燃やし、あるいは単に埋め立てて処理しているのです。画期的なゴミ処理の技術や方法が試されたというニュースはここしばらく聞きません。やや考え方が安易だったとはいえRDFは、ゴミ処理の新しい展開でしたが結局は三重県で火災事故を起こして暗礁に乗り上げています。これに懲りて多分RDF技術は見捨てられるかもしれません。しかし、個人や企業向けの製品やサービスが飽和した現在こそ、社会的技術に挑戦すべき好機ともいえるでしょう。投稿者が再度技術屋として働くのであれば、社会的技術への貢献しかないとも考えています。ただし、基本はあくまでも地域密着の分散型の技術である必要があります。

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コメント

「地域密着の分散型の技術」という言葉に納得しています。
防災科研に居た頃、自律分散型防災情報システムの概要を知ることができた。ゴミの問題も個人が自律的にできることは行うという基本マナーに立ち返る必要があるのではと、最近思い始めています。週1回は、近くの中央公園のゴミ拾いを早朝に行っていますが、タバコ・缶ビールなど販売メーカー側にも、消費者にゴミ処理を適切に行うようなマナー喚起を義務づける必要性を感じています。

自立分散型の概念に関する参考情報は以下にあります。
www.jsce.or.jp/library/eq10/proc/ab/id241551.html
www.ipsj.or.jp/01kyotsu/award/fit_ronbun/2003_pdf/LO_001.pdf

投稿: sugi | 2006年10月 8日 (日) 05時29分

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