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2006年10月10日 (火)

95 できるだけ作らない仕組み

「何を作れば良いか分からない」、という嘆きに対しては「できるだけ作らなければよろしい」と言っておきます。「それでは会社がつぶれ従業員が路頭に迷う」と経営者はうろたえるかもしれません。しかし、消費者(この言葉もやがて古くなるかも知れません)が本当に欲しいのは、モノではなく機能なのですから、企業はモノを生産して売るのではなく、機能を提供してその代価を得る組織に脱皮すればよいのです。

よくよく考えてみれば何も作らない会社は数多く存在します。多くのサービス業ではモノを作らずに、しかしモノを作る企業以上にお金を稼いでいます。もちろん世の中全てがサービス業になって、それで社会が回っていく筈はありません。投稿者が提案しているのはサービス業ではなく、「機能の提供業」なのです。今後適当な例を考えて、示していこうと思いますが、ここでは分かり易い例を一つ挙げておきます。

例えば、自動車のプール利用システムがあります。少し複雑な仕組みが必要ですが、街中にはいくつかのモータープールがあり、車に乗りたい人は少し歩いてそこで車を借ります。用が済めば、おなじモータープールか別の場所に返却することになります。レンタカーと異なるのは、これらの仕組みが半公共で運営され、必要最小限の数の車で運営される事です。車の数は、都市の規模に応じた「環境負荷」の許容量で決定されます。現在の感覚で言えば、「慢性的な車不足」になる事は間違いないでしょう。この「やや不足」という状況が非常に重要なのです。車が出払っている場合は貸し自転車という手もあります。タクシーもこのシステムの中に加えれば、運転できない人も利用できますし、タクシーの流しや駅待ちの風景もなくなるでしょう。車を所有しているだけで掛かる経費(税金や保険料や車検代や整備費)や駐車スペースや渋滞による無駄を考えれば、このシステム賛同する人も多いかもしれません。

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コメント

自動車プールシステムの原型を考えるにあたって、英国から返還前の香港での交通システムと税制は、示唆に富んでいる。また交通規制と税制については、シンガポールの制度が都心部では、ひとつの解決策を示しているだろう。ただ、利用者に不便を強いるのと一部サービス提供業者に利益が誘導されるのを制限することは、かなりの英断と既存の権益保持者の抵抗を招くことは確実です。
エコカーと貸し自動車の組み合わせを、日本で試行している処がある。成功するとそのモデルが他都市へ拡げることが可能です。
しかし、自動車メーカーは必然的に車が売れなくなることに納得するのだろうか?
確かに提言者の言うように、Have(個々がモノを所有する欲求)よりもBe(機能を求める精神的充実)に価値観を認める社会へと変質して行く必要性を感じます。

投稿: sugi | 2006年10月11日 (水) 07時30分

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