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2006年11月 6日 (月)

129 自然へのにじり寄り4

工業製品の例としてのプラスチックを考えて見ます。プラスチックの元祖は、木材由来の原料を加工した「ベークライト」でした。これが発明された頃は多分石油は高価な原料だったはずです。しかし、石油が潤沢に出回るようになると、石油(ナフサ)から得られる安価で多様なプラスチック製品が市場に溢れるようになりました。真っ黒いだけのベークライトは嫌われ、カラフルな着色が可能な塩ビやABSやPPやPETなどが、あらゆる製品に使われるようになったのです。今では身の周りでプラスチックが使われていない製品を探すほうが難しいくらいです。

しかし考えてみれば、国内の山には使われない多量の木材が寝ており、安いと言う理由だけで多量に輸入される海外の木材も十分有効利用されることなく、製材過程から出る端材や廃材が無為に焼却処理されています。木材は、軽く断熱性や絶縁性にも優れる理想的な材料でもあります。特に人間が直接触れる部分に使われる場合、ほとんど理想的な部品になるはずなのです。ドアや製品の取っ手、便器の座面、電化製品の筐体、建具や家具などなど木材の適所は多いのです。問題は、射出成型で大量生産できるプラスチックに対し、個々に削る必要がある木材はコスト的には不利である点だけだと言えます。そうであるならば、足りないのは安く作るための知恵と工夫だけだとも言えるでしょう。我々は、これまで何のために自動化や大量生産技術を磨いてきたのでしょうか。金属やプラスチックの代わりに、原料として国内でも持続的に供給可能で加工もし易い木材を選び、これまでの大量生産技術を使えば、殆ど何の苦労も無しにコストが下げられるはずです。これが、工業における自然へのにじり寄りの例です。投稿者の知人は、薄い木材を張り合わせたものをアタッシュケースの素材として選び、かなり成功しているようです。まだ値段はかなり高い様ですが、軽くて手触りも抜群に良いと感じました。

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