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2006年11月 7日 (火)

130 自然へのにじり寄り5

工業材料としての金属はどうでしょう。金属は、実はリサイクルの王様です。しかし、他の金属と混ぜてしまった場合、その特性は大幅に劣化してしまいます。例えば、めっきした金属や元々合金してある金属を集めて溶解しても、元の純粋な金属を取り出すことは困難です。不可能ではないのですが、とてもコストが見合いません。従ってリサイクル金属は質の悪い金属として、それなりの用途にしか使えないものになってしまいます。この「リサイクル劣化」がリサイクル社会の一つの壁ともなっています。

金属は、最強の材料と思い勝ちですが、単位面積当たりでは実は多くの繊維の方が圧倒的に強いのです。一方、非強度(強くて撓みにくさ)で言えば、金属より木材の方が有利なのです。さらに木材に、圧力と温度をかけて密度を上げる処理を施せば、アルミよりも強度の高い材料を作ることも可能です。問題は、ここでもコストですが、現在のところは圧倒的に金属が安いのです。それは金属を精錬する為のエネルギーコストが安いという単純な理由からです。しかし一方では、金属の採鉱や精錬の過程でひどい鉱害・公害が引き起こされている事を忘れてはならないでしょう。国内では一見鉱山にまつわる公害(鉱毒)事件は収まったかに見えますが、実はその鉱毒問題は海外で今まさに現在の問題となっています。何のことはなく、日本は金属原料を海外輸入する事を通じて公害を輸出しているのだとも言えるのです。金属工業における自然へのにじり寄りとは、金属に変り得る再生可能な自然素材への代替を進めることだと言えるでしょう。

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