« 137 寄生の法則(掟) | トップページ | 139 人工葉緑素 »

2006年11月12日 (日)

138 ナノは危ない2

124でナノは危ないと書きました。ナノといえば分子レベルの大きさですが、実はこの大きさにおける分子の挙動には十分判明していない部分も多いのです。生物の起源まで遡ると、海の中に漂う多種類の「有機物のスープ」まで行き着きます。これらの小さな有機分子がどのように結びつき、結果として如何に自己組織化したかに関しては、殆どが謎に包まれています。つまり、非常に小さな単位での分子が、互いにどのような分子間力で結びつくかが明らかになっていない以上、ナノ分子やナノ粒子の体内における挙動もまた安易には評価できないはずです。体内で既にお馴染みのアミノ酸など天然由来の粒子は別として、完全に人工的に作られたナノ粒子は、人体にとっては異物ですので、何らかの防衛反応やアレルギー反応が顕れても不思議ではありません。事実、タバコの煙やディーゼルエンジンから出る排気ガスに含まれるPM(粒子状物質)には、疾病やアレルギーを起こすと言われるものも多く含まれているのです。

人間や環境にどのような影響を与えるか分からない粒子を扱うナノテクノロジーは、その意味で非常に危ない技術であると言えるでしょう。公害対策諸法に例を引くまでもなく、過去殆ど全ての法律は「対策法」でした。研究者には、何やら新しいナノ粒子を多く作り出すことに熱中する前に、是非安全性に関する「予防法」としての自己評価基準を作っておいて貰いたいものです。

|

« 137 寄生の法則(掟) | トップページ | 139 人工葉緑素 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 138 ナノは危ない2:

« 137 寄生の法則(掟) | トップページ | 139 人工葉緑素 »