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2006年12月 1日 (金)

161 技術バカ

投稿者は、人生のある時期まで確かに「技術バカ」でした。技術バカとは、科学や技術によって世の中がより便利に豊かになりそれによって、より多くの人々が幸福になると信じ込んでいる集団のことです。そのため、より多くの資源やエネルギーを使い、より進んだテクノロジーを駆使してそれを加工し、より安く品質の揃った製品やサービスとして社会に提供することを使命と考えてひたすら企業で働いてきたわけです。しかし技術バカの最大の欠点は、頻繁に目的と手段の取り違えを犯すことです。

例えば、ジャンボジェット機の開発プロジェクトを想像してみましょう。ジャンボジェット機は、航空機による大量の旅客輸送を目的として1960年代末に開発されました。より多くの人を、より安く大陸間を輸送しようという目的でした。しかしながら、このプロジェクトに投入された技術者は、結局この目的を多分最後まで意識することなく、ひたすら自分が与えられた部位(例えば主翼や胴体や油圧装置など)の設計にまい進したことでしょう。技術は、最初の目的を達成するための手段であったはずですが、プロジェクトの真っ只中では、技術を使ってある形の部品を作り上げることだけが目的になって行きます。そこでは安全性追及や環境負荷などは、風前の灯になる場合すらあり得ます。まさに養老猛が指摘する技術「バカの壁」が生まれる訳です。これは、平均的な技術バカであった投稿者の体験談ですから、自分は絶対に目的を忘れたことが無いと言い張る「本物の技術バカ?」からの異論があるにせよ、技術バカの実情であることは間違いないところです。

ここまでは、価値観の問題なのでどうでも良いとも言えますが、本当の問題は、技術バカの行動は殆どの場合環境と対立することです。技術的な興味やお金儲けのために開発された「やばい技術」(例えば結局有害であった化学物質など)のなんと多いことでしょう。開発に当たった技術バカには、結局PCBやフロンや放射性物質やその他環境に有害な人工物質の危険は、技術の光に目がくらみその影の部分は「全く見えていなかった」という結論になります。実に悲しむべき事ではあります

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