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2006年12月15日 (金)

181 生物の偉大な力

「複雑系を超えて」というタイトルの本の中で、K.ケリーは地球上の岩石もその多くが生物活動の結果できたものであるというヴェルナツキーの説を紹介しています。具体的には、ヒマラヤのかなり標高の高い場所でアンモナイトなどの「海の化石」が発見されますが、つまりヒマラヤ地方もかつては海底であったという証拠です。海底に蓄積する土壌は、実は生物自体の死骸や生物活動の結果の代謝物が蓄積したものが殆どを占めています。つまり、岩は、確かに一部は溶岩そのもので出来ていますが、例えば火山の高い熱を受けて性質が変わった「変成岩」を含め、地表に出ている多くの岩石の大半は堆積岩で、生物活動の結果生じたものだといえます。

実際、オーストラリアや南米に産出する純度が高く、厚さ数百メートルに及ぶ鉄鉱床は、実は太古の(鉄を好む)微生物活動の結果濃縮された海中の酸化鉄が、沈殿堆積して出来たものであることが分かっています。微生物の死骸が数百メートルの厚さに堆積するには、想像を超える長い時間の経過の結果でしか実現しません。多分億年単位の時間が必要なのでしょう。ちなみに、一般に土壌が30センチメール堆積するのには1千年程度必要だといわれています。私たちはその鉄鉱石を、500トン積みの巨大なトラックを使って掘り出し、年間約1億トンレベルの量の鉄を精錬して消費しています。生物による数億年の蓄積を、たった数百年で消費してしまう「人間の営みの異常さ加減」を、いま改めて認識するべきでしょう。

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