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2007年6月16日 (土)

345 水ビジネスの予感

環境問題の中で最大のものは、実は水問題だと以前に書きました。その思いは、M・ド・ヴィリエの「WATER」を参照するまでもなく、最近ますます強くなってきています。その前兆は、バイオエタノールの需要急増により、オレンジやトウモロコシの価格が急激に上昇している事があります。それと水問題がどう関わるかですが、食糧やアルコールの原料になる穀物やサトウキビの栽培には、大量の水が必要です。トウモロコシやサトウキビのように広い葉をもつ植物は、実は小麦など乾燥に強い植物に比べ、ざっと倍の水を必要とします。1トンの乾燥穀物を作るのに、トウモロコシではなんと2000トン以上の水を必要としていると言われています。

石油は油田主によって所有されていますが、水には基本的に所有者はいません。しかしながら、昔から水争いがありましたし、それを上手く切り抜けるための水利権の設定も行われてきました。一方、現代の農業では、規制の緩い地下水源に多くを依存する、持続可能性の低い水の使い方をしている地域が多いのです。アメリカ中西部がそうですし、インドもそうです、中国も大河がひどく汚染され水量も細る共に、地下水源に頼る割合が増えるはずです。地下水といっても、結局は補給がされない限りは、やがては枯渇してしまうものです。実際、地下水の補給が殆ど無いアメリカ中西部では、太古の昔に地下深く溜まっていた水(化石水)が大量に使われた結果、地下水位がドンドン低下しています。既に枯渇した井戸も現れています。

つまり、今はオイルビジネスやアグリビジネスが国際市場を握っていますが、やがては「水ビジネス」が市場を牛耳ることになると予想されます。しかし、いくら広大な土地があっても、地下深く掘っても出なくなった水を今後どのように確保するのか、残念ながら今は殆ど誰も真面目な答えを考えていないように見えます。しかし、石油の枯渇や温暖化の激化の前に、水飢饉は確実にやってきます。水なくしては、食料不足による飢饉が加速されるでしょうし、ましてや穀物やサトウキビから燃料を作っている場合ではなくなるはずです。水ビジネスを誰が、どのような形で握る事になるのか、一応水には恵まれていると言われノウテンキに暮らしている日本人も少しは真面目に考えてみる必要がありそうです。

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コメント

水の分子はH2O、酸素と水素を化合させると水は出来るが、コストは? 大規模かつ大量に水を創るとなったらとの命題に応えるには、水の再利用しかないなかな? どうも目先のことや身近な事象から答えを出すには、まだまだ知識が必要だと思いました。

投稿: sugi | 2007年6月26日 (火) 04時10分

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