« 348 ブーメランの法則 | トップページ | 350 日本の位置づけ »

2007年6月20日 (水)

349 虫の戦略

以前植物の戦略について書いたので、今回は昆虫の戦略を考えて見ます。昆虫は当然の事として、植物や動物に100%依存して暮らしています。勿論、まだ分類もされてない昆虫も数多い事ですから、何にも頼らず岩の汁を吸っている?「独立独歩」の昆虫も存在するかもしれませんが、ここでは日常良く目にする昆虫に注目してみます。良く見る昆虫とは、蜂やクワガタやトンボや蝶や蚊やムカデやノミやアリやゴキブリやダニ(流石にこれは良く見えませんね)の様なありふれた種類のことです。

これらの昆虫は主として食糧や棲家を、植物や大型の動物に依存している場合が多いようです。たとえば、ミツバチや蝶はその食糧を花の蜜に求めますし、カブトムシやクワガタはそれをクヌギなどの甘い樹液に求めます。アリは他の生きた昆虫や死骸やなどに食糧を求めますし、ノミや蚊は、人間や動物の生き血が無ければ繁殖できません。

しかし、昆虫は宿主に全てを求めるだけではありません。たとえばアリは、植物の樹液を吸って弱らせるアブラムシなどを、植物の枝で持ち構えてブロックしてくれますし、蝶やミツバチは良く知られているように、植物の受粉に大いに貢献しています。一見、単に宿主に害だけ与えているように見える昆虫でも、実は何らかの形で宿主に恩返しをしている場合が殆どであると言えるでしょう。もし、全くの一方通行の利益(片利)であるならば、宿主は強力な虫除け物質を分泌して、その昆虫を遠ざける事でしょう。植物は、長い進化の歴史の中でそのくらいの力は十分蓄えているはずなのです。つまりは、殆どの昆虫は宿主との共生(相利)関係を作り出し、宿主に養ってもらう戦略をとっていると思われます。環境問題とは、人間が環境から一方的に利益を奪い取る片利状態になっていることから生じています。人間が生きていくことによって、何らかの利益が自然界に還元できるような仕組みが必須です。少なくとも、産業革命の以前の伝統的な社会では、そのような関係がかなりの程度は確立されていたはずです。

|

« 348 ブーメランの法則 | トップページ | 350 日本の位置づけ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 349 虫の戦略:

« 348 ブーメランの法則 | トップページ | 350 日本の位置づけ »