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2007年9月 1日 (土)

414 鉄は誰が作った?

1年以上かかってやっと10000アクセスに達したようです。平均1日当たり30件弱のアクセスしかないという、全く人気の無いブログではあります。

さて車や橋やビルを例に挙げるまでもなく、我々の身の回りは金属、取り分け鉄に囲まれています。鉄鉱石の鉱床は、例えばオーストラリアやブラジルでは、200-300mの厚みで広大な面積に広がっています。坑道を掘ってボチボチ掘り進むやりかたでは、膨大な量の鉄消費に追いつかないので、露天掘りと呼ばれる地面を直接掘り下げる方法で採掘されます。そこでは500トン積みのダンプが忙しく動き回り、一回で数十トン掻き取るバケツを数十個付けたエクスカベータが列車に鉄鉱石を積み込みます。

鉄は地球が出来た時から、現在の形で地下に鉄鉱床として存在していた訳ではありません。鉄鉱石がどうやって出来たかを考えてみると、非常に興味深いものがあります。何故なら鉄鉱石の鉱床は「生物」が作ったと言えるからです。鉄は、地殻の中ではありふれた鉱物ですが、金属としての純度の高い鉄のままで産出されることはむしろ珍しいことです。砂鉄はその珍しい例ですが、日本では長く砂鉄が殆ど唯一の鉄原料でした。しかし、上で述べた大規模な鉄鉱床では、金属鉄ではなく赤い酸化鉄として産出するのです。大昔に生物は、この鉄を酸化させる酸素を吐き出すことで、雨によって流され海水中に溶けていたイオンとしての鉄分を酸化させ、酸化鉄として海底に沈殿させる役目を担っていたのです。結果、何億年掛かったか分かりませんが、その沈殿物は数百メートルの厚さに堆積したのでした。鉄鉱床が堆積物である証拠としては、鉱床に見られる見事な地層が挙げられます。地層は間違いなく水の底で出来るものですから。

因みに石灰岩はサンゴが作りました。海水中のカルシウム分を、サンゴ虫が海水中の炭酸ガスを使って、自分の棲家の材料としての炭酸カルシウムを固定します。サンゴ礁は、海底の沈降によって上へ上へと大きく成長し、やがて地殻に乗って大陸に乗り上げて岩となったものが石灰岩になるという事になります。石灰岩から作られるセメントも元を正せば生物が固定していたということになります。結局私たちは、さも自分たちが作ったものの様に思い込みながら、実は生物が数億年掛かって溜め込んだ堆積物や沈殿物を、たかだか数百年の期間内で大量に掘り出して消費していると言うことになります。結果、セメントを作る過程では、炭酸カルシウムを加熱して生石灰(CaO)とするので、セメントを1トン作れば、それとほぼ同じ目方(700kg)のCO2が大気に放出されるのです。

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