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2007年9月 8日 (土)

421 大規模化の愚

似たような話が続きますが、政府が進めている農地の大規模化に真っ向反対です。大規模化の前提は、圃場の区画整理→大型農業機械の使用→コスト削減→国際市場競争力の強化という単純なシナリオです。単純という意味は、このシナリオでは本来あるべき自然環境の保全・維持という視点がまったく欠如しているからです。これで何が困るかですが、人間以外の生物は殆どが迷惑を蒙ります。区画整理の結果、里山を含めた動植物の生態破壊、沢+棚田によって形成されていた、地域の保水能力の破壊、化学肥料と農薬の投入による土壌環境の破壊などなど、生物の多様性の維持という面では大迷惑になります。

しかも、自家消費米や縁故米を作っていた小規模な農家は淘汰されますから、結果として耕作放棄地は確実に増加する事にもなるでしょう。投稿者の見方は、「大規模化は環境の敵だ」というものです。工場にせよ、農地にせよ、大規模化により、コストが下がり、品質が安定するので良いこと尽くめのようにも見えますが、裏を返せばエネルギーや地下資源のより多くの投入と、災害に対する脆弱性、多様性の低下という重大な欠陥を抱えるシステムに陥るということでもあります。

特に多様性の低下は重大な意味を持ちます。なぜなら、たとえばコシヒカリという、味がよく、売値も高い米の品種がありますが、これは夏場に特に高温になる中越地域には適した品種であるかもしれませんが、反面茎が細いため風害に弱く、病害虫にも弱いという欠点を併せ持っています。従って、コシヒカリの作付けが全国的に増加したと仮定した場合、コシヒカリだけが特に敏感に反応する病害虫が発生した場合や穂が実る前に強い風に見舞われた場合、米は全滅に近い被害を受ける可能性が大きくなるのです。一方、地域の気候・風土に適した多様な品種を作付けしていれば、被害の範囲は最小限にとどまる筈です。

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