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2007年9月 9日 (日)

422 大規模化の愚2

421の話を社会や工場に展開してみましょう。最近起こった「R研ピストンリング事件」でも明らかなように、大規模化、集中化の弊害はかなり大きいと見なければなりません。弊害は、今回の様な自然災害によるケースばかりとは限りません。もし、品質に重大な欠陥が内在していた事が判明した場合、被害の広がる範囲には計り知れないものがあります。たとえば、ある工程で作られたピストンリングの疲労強度が小さく、一定時間の運転によって破断する欠陥があったと仮定しましょう。その影響は、国内販売車のみならず、エンジン単体で輸出して取り付けられた海外の車にまで波及します。これは、必ずしも全くの空想ではありません。なぜなら、メーカーは親会社からの「間断のないコスト削減圧力」の下、日夜「カイゼン」を続けているわけです。カイゼンには、工程のカイゼンも含まれますから、品質に影響を与える「悪いカイゼン」も起こり得る話です。

政治や行政で噴出している多くの醜態も、結局は大規模化の弊害に他なりません。肥大化し、「大奥化」した政治システムや官僚組織は、やはり多くのリスクを生む温床になり得ます。何億円という、人が一生働いて手にする様な金額も、何百億も扱う官僚にとっては、ほんの「はした金」にしか思えなくなる事でしょう。たとえそれが国民から預かった他人の金(税金)であるにせよ、です。だからこそ、裏金や個人的流用(横領)などという情けない事件が後を絶たないわけです。

大規模化は、効率向上にとっては最も有効で効果があると思われがちなアプローチ方法の一つではありますが、唯一の手段ではありません。むしろ、リスクという意味合いでは、それが比例的に拡大する仕組みといえます。コンピュータシステムでよく言われる「ロバスト性(頑丈さ)」を、社会システムや工場にも展開するならば、コンピュータが辿った道筋と同じように「ダウンサイジング」こそ有効であるとの結論になります。小型のコンピュータシステムを、多様な回線で有機的にネットワーク化したものが、最もシステム障害に強くなるように、社会や工場も一つのシステムと考えるならば、障害に強くなるためには、やはり多様化とダウンサイジングおよび分散化しかないだろう、との結論になります。銀行やデパートや製造業における合併・経営統合は、この流れには全く逆行していますので、投稿者には、やはりこれも20世紀型の社会システムは行き詰る直前の、断末魔的現象としか思えないのです。

さて明日から数日間、旅行不在のためブログを休みます。再開は、9/13日の予定です。

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