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2007年9月26日 (水)

436 工夫と汗

「地産地消」はこのブログでも再三強調していますが、一方やや聞き飽きたフレーズともなってしまいました。これは、一義的には地域で生産し地域で消費することにより、運搬に掛かるエネルギーを抑制しようとする考え方ですが、これだけの定義では十分ではありません。日本の食料自給率の低さは、世界的に見ても極端に低いのですが、以前にも書いたように、結果としては食糧それ自体に加えて大量のバーチャルウォーターも輸入している事は非常に重要です。もし日本がこの量に見合う水を、食糧生産のために国内で確保しようとすれば、工業用水や生活用水にまわせる水は、直ちに逼迫することは簡単な試算でも明らかです。つまり、日本では地産地消を推し進めようと考えても、食料の国内生産さえ全く見通しが立たないのです。国内で生産できるだけのバイオマスや農産物だけで養える人口は3000万人程度とも言われています。

とは言いながら、贅沢を慎み、無駄に捨てられている資源(例えば植物廃棄物やし尿処理で発生する汚泥のエネルギーとしての価値など)を上手くやりくりすれば、その倍の人口は何とか生き延びられるはずです。その際に、必要なことは地産地消のより厳密な意味づけです。これは実はあまり難しい作業ではありません。むしろ、高齢化社会になった今は最後のチャンスに恵まれた時でもあるといえます。今、まだ記憶がしっかりしている年寄りは、終戦前後のモノの無い時代を生き抜いてきた世代でもあります。モノの無かった時代に、彼らがどうやって衣食住の最低条件を満たしていたか、その知恵を聞き取っておく必要があります。彼らは、地のものを食べ、地の木材で家を建て、地の産業で作られたもので身の回りを賄っていたはずです。

その為には、多分多くの工夫を重ね汗も流していたことでしょう。持続可能な社会の実現を考える時、必要不可欠な行動は、実はこの工夫と汗だけなのです。便利な社会が、この両方を萎えさせてきたことは、今の風潮を眺めればまったくあきらかです。

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