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2007年9月30日 (日)

440 体の中の自然

もっとも身近な自然環境は、私たち自身の体であると言えるでしょう。体の中にも、太古の時代に育まれた巧妙な仕組みが存在します。循環器系、消化器系、内分泌系、免疫系などなどです。しかし、それだけではなく、体の内部でありながら「しかし外部でもある」消化器系には、実に多様な微生物を住まわせてもいます。腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれるものです。私たちは、これらの微生物に栄養物を与えてお腹の中で飼っていると同時に、体内では合成できない種々の物質をこれらの微生物たちから貰ってもいます。つまりは、完全な共生関係を築いているという訳です。これは、植物が土壌中のバクテリアと根を通じて行っている共生関係と良く似ています。一方、血液を含む体液は、限りなく海水の塩分濃度に近いものですし、海水にも多く含まれるカリウムやカルシウムなどのミネラル分は、体内でも重要な働きを担っています。

とは言いながら、私たちは毎日環境からも大きな影響を受けてもいます。絶え間ない呼吸による空気の取り込み、飲み水、食べ物、気温や湿度などの気象条件、太陽光の恩恵(或いは害)などです。体内の環境と、体の外側の環境とは皮膚1枚を境に、密接に物質やエネルギーの交換を行っています。体の中の物質濃度を一定にするために、私たちは飲食で物質を補給し、呼吸やし尿という形で要らないもの(炭酸ガスや消化できなかった食べ物や不要な物質や水分)を排出しています。またあまりにも急激な環境温度変化の影響を防ぐためには、私たちは衣服というバリアを発達させてもきました。こうして、体の中の環境は、ホメオスタシス(恒常性)を維持しながら継続できるシステムとなっているわけです。

しかし、あまりにも便利になりすぎた生活のせいで、私たちの体内環境を守る能力は年々弱体化(はっきりと退化している能力もありそうです)もしています。その為に発生していると思われる病気には、不定愁訴や自律神経失調などの訳のわからないものが挙げられるでしょう。体の中も立派な「自然環境」なのです。

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