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2007年10月 6日 (土)

446 スケール「デ」メリット

環境への負荷を度外視した経済では、生産や流通などのスケールは、多分大きいほどメリットが出ることでしょう。しかし、このシステムの維持には多量のしかも安いエネルギーの供給が前提になっています。一方、投稿者が理想として掲げている「分散型システム」では、特に運送に関わるエネルギー消費は最小限にとどまります。

分かり易い例としてビールを挙げてみましょう。ビールは、穀物(麦)、ホップ、酵母などを原料に作られますが、原料の殆どは実は「水」です。ビールにして工場から消費地に運ぶということは、この「殆ど水」を、多量のエネルギーを使って移動させる事を意味します。また、日本ではビールを大きな樽で運ぶ事は少ないので、もっぱらワンウェイ容器である瓶詰めやアルミ缶詰にして配送されます。これも、缶やビンを作る、詰める、運ぶ、リサイクルさせるにはやはり多大なエネルギーを消費します。一方ドイツなどでは、多くのレストランは、実は地下にビール工場を持っています。典型的には7個の1立米程度のステンレス製のタンクを持ち、曜日毎に1週間前に仕込んだタンクからその日のビールを客に提供します。つまりは究極のJIT生産で地産地消です。原料そのものは乾燥しているので保存性に優れており、ストックが利きます。もしもですが、水を注ぐだけでおいしく飲める「粉末ビール」が発明されたら、輸送のエネルギーが殆ど不要となり、環境負荷はグンと下がることでしょう。ただし、残念な事にはこのビールにはアルコール分は殆ど含まれていないので、単なる清涼飲料水ではありますが。しかし、少なくてもビールでの飲酒運転は無くなるので、これはこれで別のメリットが生まれます。自家製のビール製造キットも販売されてはいますが、これはこれで、作る楽しみにもつながるでしょうし結構な趣味にはなり得ます。

スケールの拡大はいずれにしても環境的には好ましくない行動です。しかし、一方ではスケールメリットと価格破壊を同時に達成するために、多くの日用品の製造が中国や東南アジアに逃げ出しました。しかし、環境がさらに悪化しスケールデメリットだけが目立つ時代になった時、既に日本では多くの設備が廃却され、製造技術(者)も既に消えている事が懸念されます。そうなれば、日本では単純な日用品でさえまともには生産できなくなるでしょう。その時は、投稿者が見る限りでは、すぐ目の前に迫ってきています。

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