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2007年10月 7日 (日)

447 キープグレイドリサイクル

カタカナのタイトルが続きます。アップグレードリサイクルという夢のような言葉があります。意味の上からすれば、廃棄された原料をリサイクルする過程で、純度が高まるとか新しい機能が付加されるとかして、価値が高まるメリットが生まれる事を指します。しかし、この言葉には矛盾があります。もし、このアップグレードリサイクルの過程で、廃棄物中の不純物が取り除かれて純度が上がったと仮定しましょう。でもよく考えてみれば、純度を上げた結果残された不純物(多くの場合有害物であったりします)の濃度は濃縮されているはずです。つまりは、より後始末に困る有害物を作り出してしまった事になります。別のケースですが、廃棄物Aと廃棄物Bを混ぜた結果有価物ABが出来たとしましょう。このABは、AやBより各段に価値がある物質だとします。確かに一回は価値を上げる事に成功したにしても、ではABそのものが廃棄物になった時には、最早AにもBにも戻せない訳ですから、やはり厄介者の「ゴミ」になってしまうでしょう。

あまり都合の良い夢を追うのをやめて、やはり地道に廃棄された物質は徹底的に分解し、ペンキや汚れを取り除いて純粋な物質に戻し、他の物質と混ぜる事無しに、元々の原料に戻す必要があります。これをここでは、リサイクル後も価値が変化しない「キープグレイドリサイクル」と呼んでおきます。その意味で、キープグレイドリサイクルの優等生としては、例えばガラス瓶やアルミ缶などが挙げられます。しかし鉄は、多くの場合メッキなどの防錆処理が施されているのと、元々の鉄そのものが、最低でも炭素などの元素との「合金」になっていて、製鉄所毎に微妙に成分も異なる事もあり、純粋な鉄は基本的に存在し得ないので、キープグレイドリサイクルするには無理があります。

いずれにしても、最終的なリサイクルの目標は何遍リサイクルしても劣化が進まない方法を確立する事です。そうでなければ、リサイクルの度に劣化が重なり、最終的にはどうにも使いようのない多量の「厄介な混ぜ物」が将来世代に残される事になります。これが、リサイクルを前面に打ち出した「循環型社会」の限界となります。

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