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2007年10月21日 (日)

461 休題(国産旅客機)

過去20数年間、飛行機屋として飯を食ってきました。その間、国産旅客機のプロジェクトが生まれては消えていきました。実は、日本の航空機業界にはトラウマがあります。技術的には名機といわれた戦後の国産旅客機の第1号である「YS-11」は、東京オリンピックの聖火を運んだ事でも知られていますが、結局たった300機前後しか売れず、ビジネスとしては「大」失敗だったのです。というのも、旅客機の巨額な開発費の元を取るためには、少なくとも1000機以上売らなければならないのです。

さて、M社がMRJと呼ばれる国産旅客機の開発に着手し、エアラインへの売り込みを開始したようです。プロジェクトに対しビジネスとしてGOサインを出すためには、まだ図面も引き始めたばかりの初期段階でも、とりあえず100機以上の確定契約が欲しいところです。技術的に見れば、複合材を多用して軽量化を図り、燃費の向上を売り物にしている様ですが、結果としてはかなり高いものにつきそうな気がします。燃費は良いが、値段が高い航空機の「プリウス」が売れるものかどうか、注目してみています。とは言うものの、投稿者は売れない方(従ってプロジェクトが消えるほう)に1票投じようと思います。理由はいくつかありますが、例えば最近のニュースではロシアが(国も後押しして)100人乗り程度の新型旅客機を開発して、市場投入したことがあります。これでリージョナルジェット機という分野には、カナダ、ブラジル、ロシアの3社がひしめくことになりました。それにもまして景気の動向不安があります。北京オリンピック後を眺めれば、さすがの中国も息切れがするでしょうし、そうなると国内線に使われる小型のジェット旅客機の市場は伸び悩むでしょう。更に追い討ちをかけるのは、航空燃料の値上がりです。今後、石油の価格は天井知らずに上がり続けるでしょうから、20%やそこらの燃費向上程度では、エアラインが飛びつくような魅力になるとも思えません。

話は少し違いますが、エアバス社の巨鳥も結局は飛び上がれない可能性が高いと見ています。1970年代に登場したジャンボジェットは大成功でしたが、何しろ2年も引渡しが遅れた事も災いしていますが、超大型機が登場するには時代が悪すぎます。

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