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2008年1月10日 (木)

542 土力

土力については書くことが山ほどあります。先ずは、植物の繁茂する土台としての土壌について考えて見ましょう。土壌(土)は、単なる岩が風雨や河川や海洋で風化されて堆積したものと安易に考えられがちですが、たった30cmの土壌が形成されるにも、概ね1000年程度の時間が必要である事を認識すべきです。しかも、土壌(正確には表面が地表に露出していて、植物の繁茂する1mにも満たない極薄い土の層のこと)は単なる土くれではなく、その中には多くの微生物や昆虫やモグラやミミズなどの小動物が含まれて居なければなりません。それより、深い層にある土は、単なる土であり養分に乏しく、雑草などの植物しか育たないものとなっています。

さて、植物を育てる力を持つ土だけが、土力を持つわけですが、農業などより多くの植物を育てようとする場合、短期間の内に植物にとっての養分が失われ、痩せてしまいます。従って、肥料という形で養分を補う訳ですが、これまで野菜などの栽培に必要な養分はN・P・Kだけであると誤解されてきました。しかし、葉緑素の詳細な化学構造を見れば一目瞭然ですが、その中にはマグネシウムなども含まれ、微量元素(ミネラル)も必要であるわけです。日本の米作が、連作が可能で持続可能である理由は、何より水田に使われる水が、山からのミネラル分を溶かし込んで、補給される事にあります。米国や、オーストラリアで行われている、地下水を使った稲作は、近い将来立ち行かなくなる、持続可能ではない農業だといえます。

土壌の本質的な機能に着目しない、やたらと機械化された「屋外工場としての農業」は、早晩立ち行かなくなるものであることは、投稿者のような農業や植物学の素人にも容易に想像できます。「土一升=米一升」の格言ではありませんが、土壌の持つ機能やパワーにもっと敬意を払い、これを研究しようとする科学者(農学者・土壌学者)がもっともっと増えても然るべきだと日々感じています。土力については、また別の視点からも書いてみる積りです。

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