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2008年1月12日 (土)

544 雪力

七曜パワーのついでに、雪国では厄介者として嫌われている雪パワーについても考えて見ます。この天からの贈り物には、幾つかの重要な役割が隠されています。

その第1は、雪は天然のダムであるという点です。即ち、高い山に数メートルの厚みで降り積もった雪は、夏場まで少しずつ解けながら、清浄な水を麓の村や町に供給し続けます。人口のダムなど無くても、降雪自体が天然のダムとしての機能も担っているわけです。問題は、多くの山では、初夏ともなれば雪が溶けきってしまい、真夏の渇水期が乗り切れない事です。これを、例えば巨大な反射シートなどで覆うなどの方法で、春先や初夏の雪解けをある程度遅らす事が可能となれば、中部以北の日本の水資源の確保は、ほぼ安泰になるはずです。

2は、上とも関連しますが、湿度や気温の調節という隠れた機能を見逃す訳にはいきません。標高の高い山に降り積もった雪は、春夏に山を駆け上がってくる暖かい空気を冷やして雲を発生させ、適当な降雨をもたらしますし、熱く乾いた空気の温度や湿度を調節してくれます。オーストラリアやアメリカの西海岸などのカラカラ地域とは異なり、日本では雪山が極端な乾燥を防ぎ、同時に山火事も防いでくれているわけです。

3は、2に少し似ていますが、これは気温に直接関係する最も重要な働きです。雪源や海氷は太陽光の大半を反射しますので、地表の気温上昇に大きな影響を与えます。冬がしっかり気温が下がり雪氷の厚みが厚い年は、初夏近くまで雪が残り、結果として強い陽光の下でも気温の上昇は緩やかです。しかし、暖冬傾向で積雪量や海氷の厚みが薄くなってしまっている近年は、雪解け時期が早まり、黒い土や緑の海面に春になって強まった太陽光が照射されると、急速に地表の気温を押し上げます。つまり、冬から、気持ちの良い春を通り越して、いきなり夏になるような激しい気候をもたらしてしまいます。これは、最近の春先の気候の傾向を思い出していただければ、多分納得できるでしょう。暖冬と春夏の酷暑傾向はいわば悪循環を形成しますので、例えば大きな火山の噴火などで、空気中のエアロゾルが増えるような事件でも起こらない限りなかなか歯止めは掛かりません。続きます。

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