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2008年5月12日 (月)

664 電気自動車ごとき

電気自動車の販売計画が目白押しです。電気自動車には、確かに排気管は無く、排気ガスも出ません。しかし、しかしです。電気自動車の普及は、逆に環境問題を見えにくくする可能性が拡大します。何故なら、電気自動車の利用者は、自分がどこかの発電所の煙突から石炭や石油や天然ガスを燃やした二酸化炭素を出している、或いは原発で放射性廃棄物を出しているという罪の意識からは逃れられますし、ガソリンをスタンドで買うことに比べれば、実際問題としてサイフもかなり楽になるはずだからです。

電気自動車は、環境問題の切り札には絶対になり得ません。車体は相変わらず鉄板で作るでしょうし、ニッケルー水素電池やリチウムイオン電池(ところでリチウムは人体や生物には有害な物質です)などが廃棄物になった時には、新しい公害が発生する可能性も高いからです。シリコンなどの高価で、製造にエネルギーを多量に要求する様な資源をあまり使わないで太陽電池などのエネルギー源を整備し、しかもその土地で太陽光や風力から得られる電力だけを使って、「電動アシスト自転車」を動かすくらいなら、まだしも可愛らしい話ですが、日本だけでも何千万台もある乗用車の半数が、例え電気自動車にすげ替えられたところで、環境問題の解決にはなんら結びつかないのです。

真に必要な作業は、社会基盤の確保に必要な順に優先度を設定し、不要・不急な車の数を制限する以外には無いのです。この国では、明らかに国土面積に対する車の数が過剰だからです。それは、駐車場に入っている全ての車を動かしたと仮定した場合、全ての国道には隙間なく車が数珠繋ぎになって全く動かなくなるほどの数なのです。車の数を2-3割削減したところで、この国では困ることは全く無いはずです。通勤の乗り合い乗車が少し増え、道路の渋滞も大幅に減少し、石油エネルギーの削減も進み、国道筋の大気汚染や騒音も少し改善され、数えてみても良いことずくめです。

今のところそんな声が出てくる兆しはありませんが、「環境のために先ず車の数を減らしましょう」と呼びかける声にこそ是非耳を傾けてください。車メーカーの小手先の目くらまし作戦でもある、電気自動車ごときに惑わされてはならないのです。

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