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2008年5月19日 (月)

671 緑色の意味

植物の話題のついでです。植物が緑色である事には重大な意味があります。これは、工学系の学校では教えてくれなかったし、重工業に長年勤務していても、全く必要の無かった知識でもありました。さて、光合成を行う葉緑素は緑色ですが、私たちの目に緑色に見えるのは、緑色以外の光(特に赤色・赤外線)を葉緑素が吸収しているからに他なりません。光合成の原動力である電気・化学的力は、エネルギー準位が高い紫外線で駆動されますが、その後の光合成を進めるエネルギーや植物の活性を維持するには、波長のより長い赤色や赤外光・遠赤外光が不可欠です。事実、たとえ気温が低くても、十分な量の紫外光や赤外光を照射してやれば、植物の光合成は活発に進む事が確かめられています。その仕組みを十分に理解しないままでは、例えば多量の化石エネルギーを使った温室栽培などが、何の疑問もなく行われたりする訳です。

足りないのは、「緑のサイクル」の原動力である光合成をもっと掘り下げる研究者です。エネルギーをあまり使わないで、植物が好む光や赤外光を発生させる事が出来れば、日本の農業で湯水のように使われている化石エネルギーが大幅に節約可能です。これは、単なる省エネルギー技術などではなく、「植物のご機嫌伺い技術」なのです。

植物学などは全くの門外漢である投稿者でも、この程度の事を思いつくのですから、農学系の研究者と照明器具などを開発している技術者が、酒でも飲みながら議論するだけで、もっと画期的なアイデアが生まれるかもしれません。農学者が、農業の衰退を嘆き、メーカーの技術者が、納期と品質と価格に追い回されながら忙しく動き回っているだけでは、温暖化のアリ地獄から抜け出すアイデアなど生まれるはずがありません。先ずは技術者が、植物の葉っぱを一枚手に取ってマジマジと観察すること、農学系の研究者が発光ダイオード(LED)の光に注目し、どんな波長の光が出ているのかに注目すれば良いだけです。その結果、植物達が躍り上がって喜ぶ波長の光を出すLEDの開発でき、温室栽培のイメージは大きく変わってくるでしょう。その光は人間の目には見えないかも知れませんが、多分温室内の気温は凍結しない程度で問題ないでしょうし、消費するエネルギーも画期的に小さくなるはずです。

そんなに難しいことを考えなくとも、単純に木陰が涼しいのは、樹木の葉が熱線(赤外光)を殆ど吸収してくれるからに他なりません。葉が緑色に見えるのは、熱い(赤い)光を全て吸い取り、赤の補色である緑の光だけを反射しているのです。

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