« 671 緑色の意味 | トップページ | 673 ラベルの貼り替え »

2008年5月20日 (火)

672 土壌の働き

勿論、植物があって水と太陽光があるだけでは十分ではありません。何より、その直物が根を張る土壌が必要です。岩が風化したただの土と、有機物と微生物が棲む土壌とは全く異なるものだ、という話は以前にも書きましたが、植物にはまさにその土壌が必要であるわけです。土壌の機能は、しかし単純ではありません。例えば、植物に必要な有機物、無機物を含んでいる事は当然としても、水分を保持する機能、逆に余分な水分は地下に浸透させる機能、根は空気も必要としますので適度な通気性、ヒゲ根が伸びるための適当な空隙などが挙げられます。しかし、どこの土壌もこんな良い条件を満たしているわけではないので、結果としてはその土壌に合った植物や或いは作物しか受け付けない事になります。そのため、多様な土壌と多様な気候が、いま地球上に存在する多様な植物群を育む結果となったと言っても良いでしょう。

さて、植物は土壌(微生物)との間で、相互に物質のやり取りを行っています。根は、単に水や養分を吸い上げるだけではなく、根から土壌生物へ物質も与えているからです。それは、ある種の糖や有機物ですが、根の周りに生息する微生物の栄養源となって、微生物を活性化し、結果として植物に有用な養分を生産させる効果が跳ね返ってくるからです。豆類と根粒バクテリアの共生関係については、よく知られていますが、殆ど全ての植物は同様の共生関係を築いていると想像できます。

共生関係を詳しく観察すると、一体どちらが主でどちらが従なのか、分からなくなってしまいます。つまり、植物がより大きく成長するために根粒バクテリアを利用している宿主なのか、或いはバクテリア群が生き延びるために植物を利用しているのか、考えれば考えるほど分からなくなるのです。話は少し脱線しますが、人間とその体内に数多く生息する腸内微生物(大腸菌や乳酸菌やチョイ悪のウォルシュ菌などです)の関係もまた複雑です。これらの腸内微生物の存在無しには、私たちは食物を上手く消化できないでしょうし、人間の体内環境に適応した微生物群もまた人間の体内を出ては、活発には増殖できないでしょう。

|

« 671 緑色の意味 | トップページ | 673 ラベルの貼り替え »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 672 土壌の働き:

« 671 緑色の意味 | トップページ | 673 ラベルの貼り替え »