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2008年5月24日 (土)

676 多様性の確保

環境を語る上で、多様性保全の問題は避けて通れません。地球環境が、今の様な微妙なバランスの上に成り立っているのは、無機(岩石や鉱物)の地球が、その上で繁栄と絶滅を繰り返しながら多様な有機地球(生物の事です)が、相互作用を及ぼしながら互いを変えてきた結果です。鉱物と太陽光と水だけでは、生物の発生や存続の条件としては十分ではありません。多才な元素である炭素(C)と植物の成長や動物の筋肉を構成する窒素(N)が、適当な割合で水の中に遊離している必然もありました。

生物が多様であることの重要性は、改めて指摘するまでもありませんが、最も重要なポイントとして、未知の微生物による病気の発生への耐性を挙げるべきでしょう。つまり、遺伝子操作による品種改良で、収量が多く、農業用水使用も、肥料も、農薬の使用量も減らせる、「スーパー・トウモロコシ」が開発されたとします。数年は、農家も市場も消費者もめでたく暮らせるかもしれません。多分それを見た世界中の農家がこぞって、この新品種の作付けを始めるでしょう。しかし、ある日、ありふれたトウモロコシの病原菌が突然変異を起こし、この「スーパー・トウモロコシ」に壊滅的な被害を及ぼす「スーパー・ウィルス」が出現してしまうことはかなりの確率で想定されます。結果、世界中の畑では、褐色に変色したトウモロコシが立ち枯れ、その年の収穫は殆ど無くなってしまいます。世界各地では、深刻な飢饉が始まることになるでしょう。これが、「単一品種の悲劇」というストーリーになります。

一方で、世界各地で、その土地に自生していた品種を、遺伝子改良ではない手法で品種改良した作物は、ある種の凶悪な病害虫が発生したケースでも、地域限定の不作程度で済んでしまうでしょう。つまり今の地球環境を保全し、多様な生物を守る事には、私たち人類(ヒト)の存続にとっても重要な意味があったのです。

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