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2008年5月25日 (日)

677 雲量

水蒸気は、実は最強の温暖化効果ガス(GHG)です。GHGとは、地表から宇宙に向かって放射される波長の長い赤外線を吸収し、地表の極端な冷却を妨げるガスの事ですが、大気中に最も多量に含まれるGHGは、実のところは「水蒸気」であるわけです。二酸化炭素やメタンやオゾンやフロンなどを含む全てのCHG効果を100とすれば、水蒸気は70-80を占めると言われています。その他のGHGを束にしても、水蒸気の温暖化効果の1/4程度にとどまるという事です。とは言いながら、人間の浅知恵や化石燃料のパワーを使った程度では、大気中の水蒸気をコントロールするなどという話は、全く無理な相談です。したがって、実際問題として、人知が辛うじて及ぶ範囲の、温暖化寄与率の小さなGHG、つまりは二酸化炭素の削減程度しか、手が出せないというわけです。

ややこしい数字として、相対湿度という言葉もありますが、ここでは大気中の「絶対的な水蒸気量」として考えます。さて最強のGHGである水蒸気は、温暖化が進めばどうなるのでしょうか。気象の専門家でなくとも容易に想像できるのは、気温が上昇すれば、大気中の水蒸気量も増加するということです。冬場と夏場で、どちらが大気中の水蒸気量が多いかは、考えるまでもありません。夏場が何倍も多いはずです。従って、夏場は夜間の放射冷却が妨げられて、熱帯夜となるわけです。一方、内陸の砂漠地帯では、極端に湿度が低いため、日中の気温が50℃になったとしても、夜間は一桁の気温にまで下がったりするわけです。

問題を複雑にするのは、大気中の水蒸気は均一に分布する訳ではない事です。具体的には、低気圧(上昇気流の中心)と高気圧(加工気流の中心)では、同じ地域にあるものでも、湿度は大きく異なります。また、気温の高い地域と低い地域が隣り合っている場所には前線が発生し、雲が湧きます。地球の温暖化が今以上進んだ場合、宇宙から見た地球が白い雲で覆われる割合(全球雲量)がどのように推移するのか、実のところ正確には予測出来ていないのです。それは、雲の核となる「雲核=多くはエアロゾルの類」の分布の観測や研究は、極端に少ないからです。雲量は、太陽光の反射率(アルベド)に直接関与しますので、温暖化が大気中の水蒸気増加に伴って累乗的に加速するのか、あるいは雲量増加によって少しは緩和されるのか、投稿者が知る限り説得力ある結論はまだ出ていないようです。

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