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2008年5月26日 (月)

678 気象の過激化

温暖化により気象が過激化すると予測されています。気温の上昇とは、分子レベルで見れば、あらゆる分子・原子のブラウン運動が活発になる事を意味し、それはマクロレベルで見れば、ある系の内部エネルギーが大きくなる事を意味しています。従って、気象の原動力が、その系が持つ内部エネルギーとそこに加わる太陽光、隣接する系から供給される気流や湿度にあるとすれば、少なくとも内部エネルギーが増加するだけで、気象現象が激化する事は十分考えられます。

加えて、先にも述べた温暖化に伴う大気中の湿度やエアロゾルの増加が降雨の過激さを増長するでしょう。気象の過激化に、しかし最も影響を与えるのは、気温の上昇に伴う海水温の上昇だと言われています。低気圧とは、日射や高い海水温によって加速された上昇気流を伴う渦ですから、高い海水温が低気圧(それが巨大化した台風やサイクロンやハリケーンをも)を激烈なものに成長させることになります。

いずれにしても、温暖化が気象を激烈なものにする傾向は、今後の温暖化の加速で顕著なものになっていくことは、多くの指標が物語っているようです。ハリケーン・カトリーナやミャンマーを襲った巨大なサイクロンは、この傾向のホンの序章に過ぎないかもしれません。日本に接近してくる低気圧や台風が、日本近海の海水温の上昇で急激に成長し、そのまま弱まる事無く上陸する傾向も近年顕著になっており、気象過激化の影響は熱帯地域に留まらず、次第に温帯域にも及び始めているようです。

その意味で、私たちは、今後の過激な気象現象に対しての備えを本気になって考えなければならないでしょう。温暖化は、頑張れば少しは減速できるにしても、長期的には最早そのトレンドを止める事ができないとすれば、その対策も受身にならざるを得ません。具体的には、低地やゼロメートル地帯の水害多発への備え、米や果実などでの風害に強い品種への切替え、保水力が貧弱で間伐の行われない人工(針葉)樹林への対策、遊水池が埋め立てられて、水の逃げ場が無くなった水系の洪水対策、高波で簡単に流される防波堤の見直しなどなど。これらの優先度に比べれば、どうでもよい道路の建設ごときに、貴重な税金を投入する余裕など、この国にも地球上に無いはずなのです。

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