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2008年7月 6日 (日)

719 出してから処理するムダ

707にも関連しますが、今コンサルを行っている企業の粉塵「対策」に関して感じていることを紹介します。粉塵は、法的(安衛法)には、単位体積当りの空気に含まれる粉塵重量で評価されますが、客観的な指標のように見えて実はあまり科学的ではありません。というのも、粉塵のサイズによって、人体に与える影響が異なるからです。即ち、大きさが概ね5ミクロンより大きな粉塵は、気道にある繊毛に捕捉されて、やがて排出されますが、それより小さなサイズの粉塵は、肺の奥深くまで吸いこまれて、一部は肺胞に付着し、長い年月の間に細胞の変性を招く可能性が高まるからです。

工場の中で、粉塵は多くの原因で発生します。部品の研掃作業、鋳造作業、金属溶解作業、磨き作業、加熱作業などなどです。しかし、小さな粒度の粉塵ほど長い時間空中に浮遊し、人体に悪影響を与えます。一つの方法としては、新鮮な外気で工場内の空気を置換する事が行われます。しかしながら、工場内の空気の体積(気積)の半分の体積の空気を送ったとしての粉塵濃度は半分になるだけなので、投入した通風機エネルギーに比べて効果は限定的です。

そうではなくて、やはりこの種の問題は元から断たなくてはならないのです。その点では、環境問題と全く同じだといえます。粉塵問題解決の第一歩は、先ず粉塵の発生源を徹底的に調べ上げる事です。その上で、発生源毎に粉塵の粒度分布を調べたいものです。その上で、粉塵は発生源を可能な限りブースに閉じ込め、局所排風装置+集塵機で捕捉・処理する必要があります。

粉塵を拡散させないで処理する事により、結果としては小型の集塵機で処理できるので、省エネルギーにもつながります。多くの工場を回ってがっかりするのは、殆どの場合、問題を拡大させてしまった上で、多大な労力やエネルギーを費やして対策したり処理したりしている事が多すぎる点です。問題が本当に問題なのは、それが拡大する傾向を持つ場合です。ボヤの内に手を打てば、殆どの火事は消化できるはずなのです。

粉塵を出さない方法にはいくつかの手段が考えられますが、例えば1)完全密閉の負圧ブースを使う方法、2)湿式として粉塵を舞い上がらせない方法、3)そもそも粉塵を出さない工法に変更するなどが考えられますが、勿論3)が理想である事は言わずもがなです。

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