« 722 耕作放棄ハザード | トップページ | 724 サミット考 »

2008年7月10日 (木)

723 帰農

722で述べた環境ハザードを防止するためには、農業従事者の減少に歯止めをかけ、逆に回復させなければなりません。それには、多くの人たちに農村の生活を魅力的なものと感じさせることから始めなければならないでしょう。多くの意味で、現代の利便に囲まれた生活から見ると、農村の生活は質素で不便なものに映りがちです。しかし、自分で作った最も安全な食物を口にし、里山で得られる季節の食材や薪炭など、自然の恵みに依存する生活こそが、実は豊かなものであるとする価値観さえ育てば、農村への回帰は本格化するはずなのです。

投稿者も以前に指摘しましたし、最近も誰かが同様のことをコメントしていましたが、農業は普通の意味の産業と同列に議論することは間違いです。何故なら、工業製品が不足しても死ぬ事はありませんが、食糧が不足すれば下手をすれば死人が出るからです。食糧の確保は、全てに優先し至上の優先度が与えなければなりません。その意味では、工業製品の多くは、必要不可欠なモノは殆ど無く、多くは利便提供を目的としていると言って良いでしょう。さて、食糧が、人間が生きていく上で必要不可欠である事は当然ですが、それを支えるべき農業の位置づけが、この国では取り分け低く評価されているのはどうした訳でしょう。考えて見れば、戦後の高度成長期に刷り込まれた、科学・技術および工業偏重の価値観を、現代のリーダーも庶民も捨てきれずにいるのがその理由だと想像されます。

何度も言いますが、工業製品は食えません。土壌と太陽と水を使って作られる農産物だけが、人間が口にできる食べ物なのです。肉や卵や海産物でさえ、植物(や植物プランクトン)から得られる2次製品に過ぎないのです。私たちの多くは、かつて先祖がそうであったように、一定の割合で農業に従事する必要があります。そうでなければ、世界情勢や農産物輸出国の重大な自然災害により、この国は直ちに飢える国に成り下がってしまうでしょう。当面は団塊世代の帰農が呼び水になってもらうしか無いかもしれませんが・・。

|

« 722 耕作放棄ハザード | トップページ | 724 サミット考 »

コメント

 実際にやっている者からのメッセージ。

 石の上にも3年といいますが、あっという間に3年が経ってしまいました。
 羊を飼ってみると、初めて羊飼いの役目が判ってきます。
これまでは言葉としてのそれでしたが、羊をよく観察してみると、私はそれを全く知らなかった事に気付きます。
 良き羊飼いは、自分を羊に置き換えて、、。
実際に飼ってはいるが、神の前では私は羊に過ぎません。
 羊を学生に置き換えたり、食料を欲する市民に置き換えたり、ガソリンを欲するそれに置き換えたりすると、羊飼いのあるべき姿が見えてきますし、彼らが決して良き羊飼いでないことが判ります。
 さてさて難しや。

 それにしても、帰農を実際にやってみると、からだの苦労に比べて、心のなんとすがすがしいことか。
 ごまかしようのない現実を見つめ、対峙することで、なんと物事が鮮明に見えてくることか。

 べきだではなく、帰農こそ素晴らしいのです。
さあ、あなたも未来に向かって踏み出しましょう。

投稿: 羊飼いの深山仙人 | 2008年7月10日 (木) 19時41分

帰農に関しては羊飼い仙人さんのように率先垂範で行きたいのは山々なのですが、街に住んで、徒に(偉そうに)環境ブログを書き続けているわけでなく、技術屋として汚してきたものの後始末を、体が動くうちにできるだけして置きたい、との強い思いもあります。
65歳までは、今の「環境坊主路線」を貫くつもりです。

投稿: 環境坊主 | 2008年7月11日 (金) 10時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/185422/41792379

この記事へのトラックバック一覧です: 723 帰農:

« 722 耕作放棄ハザード | トップページ | 724 サミット考 »