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2008年7月16日 (水)

729 牛のゲップ

牛のゲップには多量のメタンガスが含まれるため、CO2増加による温暖化と「同程度」には問題であると言われています。理由は、日本の飼育牛は精々数十万頭程度とささやかなものですが、人口の何倍も牛口?がある国々では、たかがゲップとはいえない量に上る訳です。それというのもメタンは、CO2に比べ、20倍以上も強力な温暖化効果ガスですから、量的には化石燃料の燃焼から出るCO2に比べれば桁は違いますが、温暖化への寄与率で見れば、実は同じくらいの桁になってしまうからです。具体的に国を挙げれば、例えば牧畜国であるニュージーランドでは、この国で出す温暖化効果ガスのなんと3割が牛のゲップによるものといわれています。オーストラリアやアメリカや南米やヨーロッパでも、天文学的数字の牛を飼っています。

メタンの発生源は、実は牛のゲップだけではありません。正確な見積もりはありませんが、北半球の永久凍土地帯から、今後多量のメタンガスの発生が予測されているのです。温暖化によって夏場の融解が進んでいる凍土には、太古の植物が未分解のままで固定されていましたが、融解によって湿地帯となった地域では、それが分解されると共に大量のメタンガスが発生することになります。メタンは自身がGHGですから、温暖化の悪循環はむしろ加速することになります。

つまりは、2050年にCO2半減程度の「ささやかな」GHG削減目標程度では、今の温暖化に歯止めを掛けることにはつながらないわけです。

日本の学者者が、牛のゲップのメタンガスを、カシューナッツの皮から取り出した物質で90%削減する研究を行っていて注目されてはいますが、出来るかぎり多くの人々が牛肉を食べることを諦め、空いた牧草地では穀物栽培を行うと同時に、一部は森林に戻す方向に急速にハンドルを切らない限り、CO2削減だけでは今の温暖化の猛スピードには全くついていけないでしょう。

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