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2008年7月24日 (木)

737 平均値の無意味

多くの統計データで「平均値」がよく使われます。平均年齢、平均体重、平均月収、平均気温、平均食糧自給率などなどです。しかし、よくよく考えてみると平均値ほど意味のない数字は他に無いのかもしれません。勿論、標準偏差のデータが加わると、それなりの意味もでますが、単なる平均値には殆ど何の意味も無いと決め付けることもできます。

これに対して、例えば定点観測は重要な意味を持ちます。ある人の一生を定点観測し、出生、成長、生活習慣、住環境、家族構成、病歴、死亡原因などに関して、とりあえず2000人ほどのデータを集めれば、日本社会の問題点を浮き上がらせるには十分なデータだと思われます。また、気象観測に関して言えば、学校の百葉箱で調べた何十年にも亘る気象データは、非常に貴重な定点観測のデータになるはずです。つまり、ある時点の平均値とは、ある断面で切った数字の断片(フラクション)でしかない訳で、重要なのは個体、またはある地点の履歴(プロファイル)だといえます。プロファイルデータからは、例えばある変化が起こった時期、その背景にある原因の推定なども可能となります。

最近問題となっている平均値の例では、日本の「平均食糧自給率は40%」などと報じられていますが、この数字からは日本の貧弱な食糧生産力がなんとなく見えるだけで、なんらの危機感も湧いてきません。しかし、例えば東北地方の食糧自給率は100%をかなり超えていて、一方で東京都の自給率は1%程度であるという、個別の数字を見ると何かが少し見えてくるかもしれません。更に、これに年毎のプロファイルデータや世界情勢の転換点が加われば、本当の意味での食糧問題が浮き出てくるはずです。それを眺めると、多分B国の戦略に完全に乗せられて、食糧自給率を大きく減らしてきたこの国の政治家や官僚の無策も浮き出てくるはずです。

繰り返しますが、平均値からは、なんらの対策もアイデアも生まれてきません。プロファイルデータ、定点観測データ、個別データの詳細な分析と検討こそが意味を持ち、問題を修正・解決するためのアイデアも生まれてくる事になります。

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