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2008年7月30日 (水)

743 温暖化熟考

温暖化に関して、もう少し深掘りして見ます。温暖化は、太陽光から受けたエネルギーが熱となって地球を暖め、最終的には遠赤外線となって宇宙に放散するのを、大気中に増えた温暖化効果ガス(GHG)が阻害するために起こる現象です。

更に詳しく見るならば、8-14ミクロンの波長を持つ、生き物にも深く関係する周波数帯域の遠赤外線を吸収し易いGHGが、実は地球の平均気温を押し上げる主たる原因ともなっているのです。この帯域の遠赤外線が宇宙に十分放散されない結果、気温が上昇し、気温の上昇は大気中の水蒸気(最大の温暖化効果ガスでGHG全体の温暖化効果の8割を占める)の絶対量を増加させますので、悪循環に入り込みます。これをますます加速するのが、私たちが年間数十億トンも排出し続けているCO2であり、メタンガスであり、フロンガスなどのGHGであるわけです。

水蒸気による温暖化への影響は、実は日常でも経験することが可能ですし、砂漠に出かけてみれば、もっと顕著に体験できるでしょう。乾燥している春秋や冬の、晴れて風のない明け方には、地表付近の気温は、放射冷却現象によってかなり低くなります。しかしながら、湿度の高い日や雲のある日には、赤外線が大気中の水蒸気や雲に吸収されて気温が保たれ、冷え込む事はありません。砂漠は、極端に湿度の低い場所でもあるので、日中は50℃を越えても、明け方は0℃近くまで冷え込むわけです。

これらの事実からもわかるように、水蒸気は最も重要なGHGでありながら、これまでの科学的な気候変動に関する研究では、ファクターとして除外されてきたか、或いは軽視されてきた事は否めません。この場合にファクターとして把握すべきは、気象観測で用いられる相対湿度ではなく、CO2などのCHGと同じく大気中の「重量絶対的湿度」であるわけです。水が蒸発する時の潜熱とその水蒸気が雲や雨に戻る時の顕熱が、気象に与える影響は多大で、最近各地で災害を巻き起こしている突風被害の原因にもなっています。私たちの、大気中の水蒸気の挙動に対する知識は、まだまだ貧弱なものに留まっていると感じています。

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