« 904 譲り2 | トップページ | 906 ムダの定義2 »

2009年1月 9日 (金)

905 ムダの定義

T社のカンバン方式ではありませんが、製造業に限らず、経営の効率化のためには「ムダ取り」が不可欠です。しかし、ムダの定義は結構厄介です。というのも、人や時代によって「必要不可欠」の定義やレベルがひどく違っているからです。たとえば、「車」を例として挙げてみます。車が必要不可欠の移動手段かどうかを日本の状況で考えても、スッキリとは説明できません。都会で公共交通機関が発達している地域では、車は特に不可欠ではないでしょう。時代を遡って、1970年代まで戻っても、同じことが言えます。前者では、代替手段が十分に用意されていることが、後者では「社会の必要レベル」が低かった事がその理由です。

ムダがしっかり定義できない以上、省エネや省資源といくら声を大にして叫んでみても虚しいものがあります。しかし、それでは議論がそこで止まってしまいます。今、先進国と呼ばれる小数のグループと途上国と呼ばれるマジョリティの綱引きも、まさにこの線上での議論です。先進国の必要不可欠と途上国のそれには、それこそ雲泥の差があるのです。必要な事は綱引きではなく、歩み寄りだと言えます。日本を含む先進国は、足元の生活をもう一度見回し、必要不可欠のレベルを再度設定すべきなのです。

もう一度車の「必要性」を考えて見ましょう。車が必要になったのは、人々が日常的に移動をし始めたからに違いありません。その昔、多くの家では農業を含む家業を営み、或いは勤め人(サラリーマン)になったとしても、勤め先に住み込むか近所の長屋を借りた事でしょう。この時代の日常生活は徒歩で事足りたのです。しかし、企業規模が大きくなり、都市のサイズが大きくなるにつれて、通勤距離は年々長く延びたのでした。都市ではさすがに鉄道網が整備されましたが、田舎ではそうは行きません。安い賃金を求めて地方に分散した企業に勤めるために、足としての車が「不可欠」と見做されるようになりました。続きます。

|

« 904 譲り2 | トップページ | 906 ムダの定義2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 905 ムダの定義:

« 904 譲り2 | トップページ | 906 ムダの定義2 »