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2009年1月15日 (木)

911 幸せ度

もし、一人当たりの収入とその人の「幸せ度」をグラフに描くなら、そのカーブはある時点までは、収入の上昇につれて幸せ度も比例的に大きくなるでしょう。収入が増えれば、住居費や日々の食糧費の捻出も考えなくても済むでしょうし、また自家用車や便利な電化製品も買えるでしょう。子弟の教育費を出すのも楽になります。しかし、一定の水準を越えると、幸せ度の上昇はストップし、逆に下降を始めるに違いないと想像しています。想像と言うのは、投稿者としては50歳到達を機に、収入上昇の権利を放棄したので、それから上の経験が無いからです。

さて想像を逞しくして、自分や家族が一生住んで食っていくのに心配が無いレベルまでお金持ちになった状況を考えて見ます。例えば、企業活動で成功した経営者がその例ですが、日本ではまずその財産を自分の親族(子供)に、可能な限り(税金徴収などで)減らさずに引き渡す事に知恵をめぐらします。富裕のシンボルとして建てた邸宅の周囲には、高価なセキュリティシステムを張り巡らし、資産増加のために行っている種々の投資や信託のリターンに一喜一憂することでしょう。また、寄付の申し込みを如何に断るかのマニュアルを作って家人に教え込むでしょう。自分と家族のために買い揃えた高級外車は、キズが付くのを恐れてあまり乗らずに飾っておく事になるでしょうし、毎日の栄養たっぷりの豪華な食事は、着実に家族の生活習慣病を進行させるでしょう。

必要な額の収入(通貨)は、少しの貯蓄を除けば、殆どが消費に回されるので、その回転率は非常に良いはずです。しかし、それ以上の余剰な資産は、結局貯蓄だけではなく、利殖のための投資に回される事になるのです。国が工業化を進め、経済規模が拡大する局面では、これらの余剰資産も上手く循環していたでしょうが、日本の様に成熟し、定常状態に移行している国では、このカラクリは既に立ち行かないのです。この国がいま行うべきは、「ホドホドの幸せ度」のレベルを明確にし、より多くの人がそのレベルに向えるように、誘導する制度を整えることのような気がします。持てるものが、ムダな資産を手放し、持たざるものに少し回す事が出来る社会は、結局国全体としての平均幸せ度が高くなることでしょう。

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