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2009年1月23日 (金)

919 メビウスの輪

「環境」を突き詰めて考えていくと、解決できない矛盾が多いことに気がつきます。例えば、人間だけが地球上に満ち溢れ、その全てが生きていくためには、かなりひどい環境破壊を続けなければならないこと、あるいはモノを作ったり(実際には形を変える加工の事ですが)消費したりすると必ず廃棄物が出ること。さらには、熱源からエネルギーを取り出すためには、必ず大量の熱を「環境に捨てなければならない」ことなど等です。

これらの事実を、もし絵に描くとすれば、それはきっと「メビウスの輪」のようなものになるはずです。メビウスの輪とは、テープの端同士を半ひねりしてつないだもので、表と思って辿っていくと、いつの間にか裏面に入ってしまう立体のことです。これを今の社会に当てはめると、20世紀では良かれと思って「まい進」してきたことの殆ど全てが「裏目にはまります」。それは、例えば重化学工業が地域に公害を撒き散らし、今はそれが地球規模にまで拡大してきていることなどを指します。今の時代に見られるメビウスの輪のねじれは、結局のところ、化石燃料や地下資源を発見し、それを大量に掘り出して消費する「産業革命」以降定着したと考えるべきでしょう。つまり、それまでの宗教的な、精神的な幸福ではなく、物質的な豊かさこそが、人間の幸福につながる、という価値観の反転が、この輪の半ひねりに相当します。

とりわけ20世紀の後半を通じ、この価値観はほぼ完全に人類を席巻したと思われます。しかし、その輪の表の部分、つまりは鉄や石油を使った物質的に豊かな世界の裏側では、着実にその影の色を濃くしていたのでした。つまりは、田舎で自然に囲まれた、お金は無いが大家族に囲まれた、精神的に豊か生活こそが、やはり「表」である、と考え直す再度の価値転換こそ、現在の影である地球環境の悪化を防ぐ、唯一の方策だと思えるのです。続きます。

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