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2009年2月 5日 (木)

932 消費者

ここでは「消費者」という言葉について少し考えて見ます。この言葉が、いつごろからマスコミに登場したか、言語学者ではないので詮索はしませんが、たぶん高度成長期に庶民の消費行動がグングン伸び始めた時期に重なるのだろうと想像しています。元々、自給自足に近い社会を営んでいた時期には、生産者=消費者でしたので、区別する必要は無かったわけです。しかし、多分「信長」の時代になるのでしょうか、農、工、商の色分けが濃くなり、それが江戸時代には明確に区分される時代になったのでした。つまり、作る人と消費する人との分離の時代が始まったのです。とは言いながら、信長の時代には、商家や職人の家であっても、裏庭には畑があり、それなりの芋や野菜を作っていた事でしょう。人々の大きな仕事や興味は、先ずは「食」だったはずなのです。

一方、食に全く無頓着になってしまった現代の消費者は、お金さえ出せば何でも、どれだけでも「スーパーマーケット」で買えると信じ込んでいます。スーパーの裏口には、毎日毎日トラックが、その日に売り上げる生鮮食料品を、各地から運び続けていることを、全く考えてもいないわけです。もし、何らかの事情で、全てのトラックが動かない日が3日続くだけで、生鮮食料品の棚は空っぽになり、缶詰などの保存食の棚の前もやはり奪い合いの場になることでしょう。

どのような道筋で考えても、消費者は最低でも自分達の「食」にもっとコンシャスでなければならないでしょう。その食品の原料はどこで栽培され、あるいは採集され、どこで加工されて、どの程度の距離を運ばれて来たものなのか。あるいは、その食品が環境的に見て、果たして持続可能な種類のものなのか、などなど、食品一つ手にとっても考えるべきことは多いはずです。残念な事に、日本ではその持続可能性に関する指標が評価される事は殆どありませんし、それが商品に表示されるケースも皆無なのです。全ての消費者は、少なくとも「考える消費者」にはならなければならないでしょう。

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