« 935 悪くても5割 | トップページ | 937 アリ・キリ3 »

2009年2月 9日 (月)

936 アリ・キリ2

アリとキリギリス物語の続編です。さて、934で書いた「バブル産業」で働いていて、余った(とされてしまった)アリさんはどう行動すべきでしょうか。確かに、介護産業(介護を産業と呼ぶべきかは迷うところですが)やバスやタクシー運転手など、業種によっては慢性的な人手不足状態にあるでしょう。

しかし、いま本当に人手が足りない産業の一つは、実は「静脈産業」なのです。この言葉は、産業廃棄物の不法投棄などと結びついて、マスコミ的にはあまり響きが良くない(ネガティブ)なものと考えられがちですが、実は今の大量生産・大量消費時代には「絶対不可欠」な産業なのです。試しに、今産業廃棄物処理を行っている業者が、何らかの理由でストライキを打てば、多くの産業はものの1週間も経たないうちに操業ストップに追い込まれるはずです。製造業では、バックヤードに、工程から出てくる廃棄物が溢れて最早製造ラインを動かせませんし、サービス業でも厨芥ゴミやその他のゴミの処理が出来なくなれば、やはり店舗などを閉めるしかないでしょう。しかし、考えて見なければならないのは、これまで儲けてきた製造業やサービス産業は、その活動から出た廃棄物を、静脈産業に安い料金で押し付けてきたと言う事実です。安く請け負った人たちは、より多くの利益を出すために山間の谷に不法投棄に走ったのでした。

そうではなくて、真の静脈産業とは、不要になった製品や、今はゴミと呼ばれている「貴重な資源」を丁寧に「分解」し、あるいは「分別」して、完全にリサイクルできる原料に戻す作業なのです。この生真面目な作業をセッセと行っているのは、昆虫などの小動物であり、更にキノコなどの菌類やバクテリアなどの微生物です。人間の社会でも、この作業を行うために大勢の人手が実は必要なはずなのです。ドイツではこのために外国人中心にはなっていますが100数十万人の雇用を創り出しています。日本では、自治体から請け負っているゴミの収集運搬や処理に当る人、それをまとめてダンプトラックで運ぶ人たちを含めても、この半分には遠く及ばないはずです。その差は、廃棄製品を「手分解」や「手分別」する人たちが十分居るかどうかなのです。メーカーは、義務として、製造工場のすぐ横に、自社製の廃棄製品の分解工場を設けるべきなのです。雇用も、製造だけしている場合に比べれば、少なくとも3割増にはなるはずです。「きれいな分解工場」では、アリさんたちも自信に満ちて幸福に働けるはずです。

|

« 935 悪くても5割 | トップページ | 937 アリ・キリ3 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 936 アリ・キリ2:

« 935 悪くても5割 | トップページ | 937 アリ・キリ3 »