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2009年2月13日 (金)

940 サプライチェーン

今の社会では、全く意識しないままに、個人や会社や社会システム自身が、複雑に絡み合った「鎖」につながれている状態にあるようです。そんな事はない。自分は自由業だと、例えば文筆業の人が言い張ったとしても、それは虚しい叫びに過ぎません。その人自身や家人が、コンビニやスーパーで買い物し、食べ物を手に入れている限り、「フードサプライチェーン」に完全につながれていると認めなくてはなりません。企業にしてもそうです。いまや、ほぼ全ての企業は、親会社や商社や流通業に手綱を握られ、アリの様にせっせとモノ造りに勤しんでいるはずです。それは、サプライチェーンと言う名の強力な鎖です。

製造業者や産地から、製品や農産物や海産物などが、数段階の仲買人や商社や流通業によりサプライチェーンの上で転がされ、その鎖の端につながれた消費者の手元に届くまでには、農協の買い上げ価格や漁港でのいわゆる「浜値」に比べれば、価格は数倍に跳ね上がっていることでしょう。それは、仕方のない流通コストだと諦めるにしても、実態はコストに加えて更に「市場価格」が上乗せされているはずです。そしてその上積みの言い訳としては、値崩れしたときの保険金のようなものだ、と流通に関わる人たちは主張するでしょう。

それも認めるにしても、流通に関わる人たちの多くが、儲かるときには目一杯(本来売ってはならない事故品まで混ぜ込んで)売り、儲からなくなると手を引いてしまう、Hit away (食い逃げ)ビジネスを繰り返すに至っては、もはや責任あるサプライチェーンとは呼べないでしょう。伝統的なサプライチェーンは、本来生産者と消費者がお互いに顔の見える関係で築かれていました。顔の見える関係においては、売り手は一度買い手の信頼を損ねれば、翌日からの商売が出来なくなるわけです。そうであればこそ、吟味した商品を適正な価格で商う必然性があったのです。その基本を忘れた多くの企業は、20世紀後半を通じて、楽で安定的に見える親会社依存の比率を拡大する道を突き進んだのでした。

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