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2009年4月11日 (土)

997 まとめ8(神々の世界)

自然のサイクルは、気の遠くなるような時間の中で微妙なバランスを獲得してきました。それは、大気を介した炭素循環、雲からの雨や雪や川や海からなる水循環、動植物を巻き込んだ有機物循環などに代表されますが、人間の与り知らない「隠れた循環」も実はあるのかも知れません。例えば、海洋における「熱塩循環」などはつい最近発見され研究が始まったばかりなのです。見えない循環や、種々の循環システム間の相互作用やフィードバック(あるいは負のフィードバック)、フィードフォワードなどは、自然の理解がまだまだ浅い私たちには、逆立ちしても予測不可能な「神々の世界」なのです。

上の熱塩循環ですが、これは熱と栄養塩を抱え込んだ海水(海流)が、海底深く潜り込み、概ね1000年単位の循環サイクルで、再び海洋の表面に浮かび上がるという、非常にスパンの長い海洋循環を指します。液体である海洋のボリュウムは、気体である大気に比べれば何桁も大きく、それが抱え込む物質(栄養塩や溶け込んだCO2など)や熱量は、地表と大気のごく低い高度の現象である「気象」に大きな影響を与えるであろうことは、学問を積んだ学者でなくても容易に理解できるでしょう。しかし、その影響が、植物や動物の食物連鎖を介して、いったいどの様に収束するのか、あるいは逆に発散・破局を迎えるのかはほとんど予測不能で、やはり「神々の世界」にお任せするしかないのです。それほど、自然の仕組みは巧妙で複雑だ、というのがここ5-6年の、まだまだ修行が浅い環境坊主の得た率直な感慨です。

何しろ、「虫」メガネで見なければよく見えないような虫の中にさえ、生命と生殖と環境を生き抜くためのメカニズムが内蔵されており、何万年も(あるいはゴキブリの様に)何億年も代を重ねて進化を続けている「世界」が存在しています。また、たった一握りの土(土壌)の中にも、何億もの微生物が蠢き、有機物の循環が行われている「世界」が存在するわけです。それらは、私たちが持っている浅い表面(おもてづら)の知識程度では、ほとんど理解不能な、神々の世界としか言うしかないと思うのです。

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