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2009年9月11日 (金)

1023 削減目標

次期首相の打ち上げたCO2削減の中期目標が話題になっています。A生首相より数歩踏み込んだ「やや野心的」な数字に、環境に敏感な人は歓迎する一方、産業界からはあまりに高いハードルだとブーイングも起り始めているようです。ブーイングの理由は一つです。企業や家庭では、高い削減目標達成のために大きなコストが発生し、ひいてはそれが重荷になって経済が減速するのだとか。しかし、この論理は投稿者には全く理解できかねます。なぜエネルギーを節約すればコストアップになるのか論理のつながりが見えないのです。確かに、たとえばある企業が今持っている重油ボイラーから、よりクリーンで省エネ型のLNGボイラーやコジェネに設備を更新すればお金はかかるでしょう。しかし、真の省エネとは今の重油焚きボイラーのままで済ますけれども、その燃料費の3割削減を達成することなのです。

確かにこれは難しい取り組みにはなりますが、決して不可能ではなく、その手法も色々考えられるでしょう。例えば、現状の加工プロセスを、より少ない燃料で今と同じ製品ができる様に改善すること、あるいはプロセスで使った蒸気の廃熱を使って、いくらかでも発電回収して工場の電力を削減すること(廃熱発電)、あるいはプロセスイノベーションにより、熱反応ではなく圧力や振動で加工(反応)が進む方法(たとえばソノケミカルやメカノケミカル法)を適用する事などが考えられるでしょう。「真の」省エネルギー活動で使うべきはお金ではなく、頭なのです。小難しい科学・技術すら不要です。これまで培ってきたローテクと知恵+工夫で十分だといえます。

さて1990年比で言えば30%を超える省エネが、実際問題として果たして可能なのかどうかですが、実はその実現は政策的に見れば結構簡単です。それにはアメとムチを使い分けます。アメとは、省エネ投資や省エネ行動に対するインセンティブ(ご褒美)であり、省エネ減税や省エネ助成金を指します。一方、頭と少しのお金を使うことを惜しんで、あまり省エネ行動をしない企業や人からはビシッと税金を取ります。環境税です。両者が丁度バランスを取る規模ならば、社会全体としてあまり文句は出ないでしょう。アメとムチを併用すれば、元々工夫が好きな国民ですから、たった30%程度のささやかな省エネなど楽観的過ぎる目標だとさえ言えるでしょう。

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