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2009年9月14日 (月)

1024 湯水か空気か

日本語では、安いものの代表として「湯や水」が引き合いに出されます。「湯水のように使う」ことは、後先を考えない無駄使いの意味に使われます。投稿者としては、これに「空気」を加えたいと思います。企業の省エネ支援に関わっていて、工場の中で「湯水」を連想させるのは実は「圧縮空気」なのです。湯水と共通しているのは目に見えないということかもしれません。湯水は、透明ながら目で見ることも可能ですが、空気こそ全く見えません。従って、どこかで無駄使いをしていても誰も意識してくれない理由ともなっています。しかし考えてみれば、空気は結構コストがかかるエネルギー源なのです。空気を断熱圧縮(急激に圧縮)すると当然の事ながら発熱します。ゲージ圧7k程度まで上昇させる普通のコンプレッサーでは、約200℃程度まで上昇するのです。これでは、空気を使う機械が壊れたり、作業者が火傷したりするので、仕方がなくそれを多量の空気や水などで冷却します。このとき捨てる熱量は、投入した電気エネルギーのおおむね半分ほどにも相当しますので、冷却された圧縮空気のエネルギーとしての「使いで」は既に半分ほどに目減りしているのです。その「高い=立米当たり3円ほど」圧縮空気を湯水の様に使っている「普通の工場」を見ると、環境坊主の投稿者としてはつい涙が出そうになります。

増してや、この貴重な空気を、機器の整備不良や配管の漏れなどで、ただ浪費している現場を見ると最後には腹さえ立ってきます。とは言いながら、空気の漏れは目には見えません。実際には、休憩時間に耳を澄まして空気漏れる「シュー」という音を聞くか、あるいは怪しい所に手さえかざせば簡単に発見できるのです。天井付近の配管でも漏れの発見は簡単です。釣り竿の先に、細く裂いたビニールテープをくくり付け、天井を走っている空気配管の継ぎ目に近づければ良いのです。

圧縮空気は、普通の製造業では総エネルギー消費量の25-30%を占めると言われています。しかし、このエネルギーを絶対に必要とする機器は実は限られています。エアシリンダーで動く機器や、製品を吸いつけるエジェクター等です。多くの圧縮空気は、実は製品のゴミを吹きとばしたり、あるいはプロセス途中で製品を冷却したりする用途にその多くが使われているのです。部品の掃除なら掃除機やブロアで、冷却ならファンやブロアで十分事足りるはずです。圧縮さえしなければ、電力はほぼそのままの「使いで」で空気の流れを作ってくれるのです。もし、空気の無駄使いだけを止めて半減できれば、工場の消費エネルギーは少なくとも15%は削減できるはずなのです。別の工夫を組み合わせれば、30%の省エネは決して無理なハードルとは言えないでしょう。湯も水も空気は決してタダではないのです。

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