« 1032 環境を体感する | トップページ | 1034 20世紀の遺物 »

2009年10月10日 (土)

1033 台風考

強烈な台風があっと言う間に通り過ぎました。近年は、台風が日本に上陸する数は減っている様に感じますが、一方で上陸するものは強力になってきている様な気もします。減ってきた原因を推定するに、手元にデータはありませんが、偏西風のスピードが弱くなってきた事が疑われます。偏西風が概ね5000m程度の高さの山や山脈にぶつかると、下流に渦(カルマン渦)ができます。地球規模の現象では、山の下流数千キロの辺りに渦ができる様になりますが、キリマンジェロ山の下流はインド洋になり、ロッキー山脈の南端の下流はカリブ海、ヒマラヤの下流はフィリピン沖になるわけです。そうしてできた渦ですが、地球の自転によって生ずる力(コリオリの力)によって北半球では右巻きの渦は消え、左巻きだけが残ります。

しかし、台風の発達には別の強力なエネルギー源が必要です。それが日射と海水表面の温度です。北回帰線から赤道に帰る途中の太陽は、9月頃これらサイクロンやハリケーンや台風の赤ん坊が生まれる海域を強烈に熱し、海水温も高くなりますので、台風はドンドン大きく育ちます。最初は、赤道から相対的に気圧が低くなっている北へゆっくり動き出しますが、そのうちに上空を流れる偏西風に流され始めると急にスピードを上げることになります。偏西風は時速100kmを超える場合も珍しくはないので、加速し始めた台風も時速数十キロ程度の、車並みのスピードを持つことになります。

さて、台風の発生減少と大型化に対する地球温暖化の影響ですが、投稿者の感触では間違いなく「影響あり」と見ています。偏西風とは極地方に溜まった冷たく重い空気が南に吹き出す風が、コリオリの力によって一定の方向(西向き)の気流になる現象ですから、極地方の急激な温暖化によって南北の気圧差も小さくなり、この気流も弱くなっているはずです。しかし、一方では台風の揺りかごである南の海の海水温も確実に上昇していますので、一度発生した台風は大きく発達してしまうことになります。結果としては、今後とも今回のような強烈な台風が数年に一回程度は襲来すると考えてそんなに間違ってはいないでしょう。

|

« 1032 環境を体感する | トップページ | 1034 20世紀の遺物 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 1033 台風考:

« 1032 環境を体感する | トップページ | 1034 20世紀の遺物 »