« 1035 列島改造の痕跡 | トップページ | 1037 リチウム汚染 »

2009年10月15日 (木)

1036 省エネのツボ

企業での省エネ支援を続けるうちに、最近省エネのコツがだいぶ分かってきたような気がします。もちろんこれまでもセオリー通りに助言はしてきたわけですが、セオリー通りでは精々5-10%程度の省エネが限界になり、大きな壁に当たります。それを突き破って、何割とかいう大幅な省エネを実現するためには、更なる深掘りが必要となると思うのです。深掘りのためには、省エネのセオリーと同時に、プロセスへの深い理解が必須です。ではプロセスを良く知る技術屋が、省エネのセオリーを身につけた方が近道かと言えば、実は必ずしもとも言えません。というのも、その業界の常識が身に染みついている事が、逆に大幅な省エネ案を出すのには結構邪魔になるのです。

大幅な省エネのためには、先ずは常識を外して考えなければならないからです。例えば、金属を削って部品を作っている工場を考えてみましょう。これまでのセオリーでは、エネルギーの無駄がないか、ネタを求めて工場の隅々を探し回ることになります。照明の無駄や断熱材の不備、あるいは空調などに関わる電力関係の無駄などなどに目を向けて、ケチケチ作戦でこれらを減らします。しかし、省エネで深掘りをするにはこれでは不十分です。「そもそも」、金属で部品を作るのに大きな素材を削る事しか考えられないのか、と立ち止まって考える必要があるのです。例えば、この時代に「ネジ部品」を、金属を削って作る企業はほとんどないはずです。今やほぼ全てのネジは「転造」という塑性加工技術で作られているからです。この加工法では切り屑は一切出ませんし、何より加工が瞬間的に完了しますから省エネ技術でもあります。

同様に、多大なエネルギーを消費している、製鉄業やセメント工業やその他の加熱を必要とする産業が、冷間プロセスの開発や種々の反応熱をプロセスに再利用するプロセスを工夫すれば、プロセス中における「本当の意味での省エネ技術」が生まれることになります。とりわけ今後考えなければならないのは「エネルギーのコンビナート化」だと思っています。そもそものコンビナートとは、石油ナフサなど中間原料を介して、いくつかの化学工場が敷地を接して立地する企業群を指しますが、これを真似て高温エネルギーを必要とする工場と中温や低温でプロセスが完了する企業が、エネルギーを使い回して、全体としての省エネを図る考え方です。この際の企業群は、必ずしも製造業ばかりではなく、ホテルや老人施設やその他の公共施設との連携も考えるべきでしょう。そこでは大量ですが100℃以下で十分な低温エネルギーを求めているはずですから・・・。

|

« 1035 列島改造の痕跡 | トップページ | 1037 リチウム汚染 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 1036 省エネのツボ:

« 1035 列島改造の痕跡 | トップページ | 1037 リチウム汚染 »