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2009年10月17日 (土)

1037 リチウム汚染

効率の高い蓄電池を作るためにはリチウムが不可欠なのだとか。残念な(幸運な?)事にこの金属資源は日本では全く産出しません。いま多くの商社が、その資源確保に南米や中国などを奔走していることでしょう。しかし、投稿者としてはこの物質に「危険」を感じてしまいます。なぜならリチウムは、人体(生物)には有害な金属元素の一つだからです。投稿者の記憶でも、1970年代に航空機のジュラルミン材にリチウムを添加し、剛性を高めようと研究された時期がありました。確かに、リチウムを合金する事によりアルミ合金の剛性(たわみにくい性質)が上がって、機体重量を10%以上軽減できる事は事実です。しかし、加工時に発生する金属粉じんを作業者が吸引した場合、急性あるいは慢性の中毒が強く懸念されたため、結局その採用は見送られたのでした。

さて、形あるものは必ず壊れ、最終的には廃棄されます。この危険な材料が電池に大量に使われた場合、最終的に用済みになった電池が環境に不法に投棄される懸念がぬぐい切れません。コストのためには、その処理を押し付けられた業者が、夜陰に紛れて不法投棄を繰り返す例は、豊島や岩手山間の例を挙げるまでもなく、これまでも各地で数多く報告されてきたところです。歴史に学ぶためには、リチウムを大量に輸入し、それを大きな産業に組み込むためには、まずはその出口(廃棄電池処理)技術を確立してから進めるべきなのです。

しかし、メーカーばかりがいくら努力しても、それだけではこの問題は解決しません。なぜなら、今度起きるであろうハイブリッド車の交通事故で、電池の破損に伴う環境汚染も劇的に増えることになるからです。道路に散乱し、あるいは側溝に流れ込んだリチウム化合物が、生物や人体に与える、「長く持続すると思われる」環境被害を強く懸念せざるを得ません。徐々に歴史になりつつあるとは言え、過去いくつかの有害物質による環境汚染やそれに伴う健康被害が、有機水銀やカドミウムやヒ素やPCBや各種の環境ホルモンなどで繰り返されてきた事実を忘れるべきではないでしょう。

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コメント

環境おじさん

私はこれから世の中に役に立つ2次電池を開発し、それを自然エネルギーの貯蔵に利用しようと考えている一研究者です。

電池開発にあたり、
環境おじさんの意見に共感し、感銘を受けました。

「大きな産業に組み込むためには、まずはその出口(廃棄電池処理)技術を確立してから進めるべきなのです。」
「今度起きるであろうハイブリッド車の交通事故で、電池の破損に伴う環境汚染も劇的に増えること」

まさにそうだと思います。
これから何十年度になるか分かりませんが、
電気自動車社会ができると思います。
その時に、環境にも人間にも配慮した2次電池の開発研究が必要だと思います。

今回の東日本における大地震、津波、そして、福島原発の事故を通して、
なおさら考えさせられました。

今の電池開発もいかに性能をあげるか、コストをさげるかに終始していると思います。

世界の原発の増設も放射性廃棄物処理という出口が、まだ確立できていないなか、進めらています。
(青森の六ケ所村の地下深くに30,50年埋め、その後どこかに持っていくとなっていると聞きます。50年後のどこかはまだ未定のまま、今の原発は稼働し、放射性廃棄物を出しているのです。)
たしかに原発は、コストが火力発電等に比べて低く、しかもCO2の排出もかなり小さい。しかし、その発電によるでてくるゴミは、CO2どころの環境汚染レベルではない。原発においても生成されるプルトニウム239に関しては、半減期(簡単に言うと、放射能が半分なるのに要する時間)は2万4000年。
つまり、汚染されれば、その土地には2万4000年住めなくなるということ。

今回の福島原発事故で放出が確認されているセシウム137の半減期は約30年。つまり、すでに福島県の一部地域は30年間不毛の地になりえるということである。

これから考えるに、
Liイオン2次電池がこれからも携帯やノートPCの主流の電池であると思うが、本当にこのままでいいのだろうかと思う。

今回の原発事故から学び、教訓とすることは
開発研究において、
1.まず廃棄時の「出口」を確立すること(または廃棄時に環境負荷が小さい)
2. 事故などを想定した場合に、環境、人間にとって害が小さい。
3. それでいて性能がいい
という順番で研究開発の方針を決定すべきであると思う。

どんなに性能がよくても、
それが大事故につながれば、
本末転倒であり、
人間の愚かさではないだろうか。

環境おじさん、
ありがとうございました。

投稿: これからの2次電池開発 | 2011年3月21日 (月) 21時35分

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