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2009年10月25日 (日)

1041 排出権取引の愚

排出権取引がマスコミを賑わしていますが、投稿者としてはまったく合点が行きません。そもそも、誰がCO2を堂々と排出し続ける「権利」を有していると主張できるのか、という根本的疑問があります。増してや、CO2に値段をつけて市場で取引しようなどと、手間ひまをかけて検討し、準備し、実際にそれを運用するシステムの無駄を考えただけで頭が痛くなります。

そもそも、排出権取引を何のためにしなければならないのかですが、その目的は破局的な気候変動の防止です。その目的を考えれば答えはたった一つしかないでしょう。アメ(大いに努力した人や企業への減税)とムチ(CO2を排出した時の環境税)の組み合わせです。省エネに励んだ人や企業をほめ、それを怠った人や企業を懲らしめるというシンプルな方法が最も効果を発揮するはずなのです。もし、削減目標に届かなければ、税率を見直せば良いでしょう。環境税は、本来目的税であるべきですが、それでなくても国の借金が天文学的数字になっているこの時代、そんな理想論は引っ込ますべきかも知れません。何しろ、現世代は、過去数十年間にわたって環境へ負荷をかけ続けながら高度成長を果たして、いまある豊かな消費生活を享受しているわけですから、それを維持するために政府がばらまき続けた借金を、環境税から少し回して埋め合わせてもバチは当たらないはずです。いずれにしても、現在の財政出動、金利政策や消費税などを組み合わせた、複雑で間接的な経済政策に比べ、何しろ環境税は直接的でシンプルです。

さて、環境税が社会の重石となって、経済活動が鈍化し、ひいては更なる景気悪化や失業率の増加につながるという議論があります。しかし、環境税の目的は「エネルギーの無駄使いを絞る」ことであり、エネルギー消費を増やさない経済活動はむしろ奨励するわけですから、そのような単純な批判は無視すれば良いのです。例えば野菜や果物など産地を集中化し、端境期にも市場に出荷するために高原栽培や温室栽培を奨励し、それを、高速道路を使って全国各地に流通させる今のビジネスモデルは、高い環境税を覚悟しなければならないでしょう。そうではなくて、地場で採れた旬の産物を、地場で消費するビジネスモデルでは、生産者や消費者は環境税の網には引っ掛からないので安いコストを享受できるはずです。つまりは中央集中のビジネスモデルは否定される時代になるわけですから、人々も税の高い大都会に群れて暮らす必要も無くなるので、人口の地方分散も進むはずです。これが、投稿者が何度も書いている「時代の逆転」の意味なのです。とりあえずは、社会が1970年代前半まで戻れば、エネルギー消費は現在の丁度半分(50%削減)程度の省エネ社会が実現できるでしょう。

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