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2010年4月 4日 (日)

1122 全体最適

バイクを褒めたついでに車の悪口をもう少し重ねます。以前にも、石油を消費する限り、石油精製工程から出るタールやピッチの捨て場所として「舗装道路」の距離が伸び続けると書きましたが、車が増えて何が一番勿体ないかといえば、道路の拡幅や延長と駐車場として使われる土地の面積です。統計データによると、道路面積は、この狭い国でなんと国土の3.5%となっており、これは農地の1/3ほどに相当し、宅地面積にも迫る割合となっています。しかも、上で指摘した通り、農地が激減している一方、道路面積の割合は、平成に入ってからでも確実に0.5ポイント(10%以上)は増加しているのです。

商用車や通勤に使われている車を除けば、殆どの車は車庫に入れっぱなしで、たまにドライブや買い物に使われるくらいでしょう。商用車も、用件があって動いている間以外は、自社か道路上かどこかの駐車場を塞いでいる事でしょう。もし、全国の車が一斉に動き出したと仮定すれば、全ての主要な国道や県道は車で隙間なくつながり、全く身動きできない状況になると想像できます。ここで言いたい事は、この狭い国では、移動手段としての車は、既に全体最適の域を超えてしまった、という点です。

増え続ける車の台数を後追いする形で、時間当たりの車の通過台数を増加させるために、バイパスを作り、2車線や3車線の道や高架道路を作っても、結局その先で車線数が減少しているために、あいも変わらず何キロも渋滞の車列がつながります。そのパイパスや拡幅された道路は、と元を質せば、そこは優良な近郊農業の農地だった筈です。通行量が少ない道路を削って減幅し、農地や里山に戻したという話は、この国ではついぞ聞いた事がありません。そういえば「減幅」などという言葉自体も、マスコミに登場する事も無かった記憶しています。

交通体系の全体最適を考えるなら、車台数の総量規制、道路の減幅や廃止、建物の減築、インフラの規模縮小、ついでに言えば鉄道との連携を図り、ガラガラの空港は思い切って閉鎖して農地に戻すなどなど、この国で打つべき手は数多くありそうな気がします。

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