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2010年4月 6日 (火)

1123 風車考

自然エネルギーの旗手としての風車が危機に立たされています。風車の羽(タービンブレード)から発生する「低周波騒音」による健康被害が表面化しつつあるからです。低周波は可聴域下限かそれ以下の、数十Hz程度の音波が引き起こす不定愁訴の原因として疑われているのです。不定愁訴という限り、第三者にも明確に「症状が見える」訳ではありません。基本的には本人が不快に感じるだけなのです。同種のトラブルは、クーリングタワーやコンプレッサー、建築騒音や航空機騒音など音と振動の複合的な影響にも共通するものです。人間には、不快に感じる音や振動が確かに存在します。音楽で言う不協和音、ガラスを固いもので擦るキーキー音、振動機械から出る低周波振動などです。投稿者の経験で言えば、バイクのエンジンが3000rpm50Hz)程度で回っている時のハンドルから伝わる振動が非常に不快です。その回転数で少し長い時間運転する事になると閉口します。

問題は、この種の低周波騒音による健康被害に関して、十分な研究が行われてこなかった事にあります。研究で、もし明確に有害な周波数が特定できるのであれば、設計者はその周波数を短時間でパスする様にハードウエアやソフトウエアで対処できるからです。風車で言えば、その周波数から遠い回転数を常用域とすれば良いでしょうし、風速の加減から有害周波数域で回りそうな場合には、ブレードのピッチを変えるか、停止させてしまえば良いのです。

風車側にも改良の余地はあります。プロペラ型の発電風車では、回転数を稼いで、発電機を小型化するために、タービンブレードの周速は風速をかなり上回るほどにもなります。そのために、風速が高い程、いわゆる風切り音が大きくなるのです。一方、「抗力型」と呼ばれる風車群(例えばサボニウス型)は、回転数が低く、周速も風速以上にはならないので風切り音は問題にならない筈です。もちろん、効率も低く発電には不向きですが、熱源用や動力用としては十分な働きをしてくれるでしょう。風車も道具も、要は使い様なのです。

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