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2010年4月12日 (月)

1126 小型化・分散化

巨大化・集中化の反意語は、もちろん小型化・分散化です。産業について言えば軽薄短小化というKWになるのでしょうが、加えて今後は「持続可能性」こそが絶対不可欠のKWとなります。軽薄短小を実現すれば、間違いなく資源もエネルギーの消費も小さくなります。それは、製品の目方に比例すると断言しても良いでしょう。1トンの乗用車の目方を、500kgにするだけで、車の原材料の重量は半分になりますし、それを加工するエネルギーも半分になるでしょうし、エンジンの馬力も、従って消費する燃料も今の技術だけでほぼ半分に出来る筈です。

確かに、一時は軽薄短小が産業のKWになった時期はありました。それは、多分二度のオイルショックやマイクロエレクトロニクス技術の伸張に触発された一方、行き過ぎた重厚長大への反動の様な気がしますが、バブル時代の到来とともに彼方に吹き飛ばされてしまったのでした。しかし、今後の軽短小の動きは、環境からの強い要請であり、後戻りのできない必然だと覚悟を決める必要がありそうなのです。そのためには、まずは絶対不可欠なものと、無くてもどうにかなるものを明確に腑分けする事が求められます。交通の話だけに限っても、一家に3台の車は本当に必要なのか、この狭い国土に100か所を超える空港(ヘリポート空港も含めて)が作られる必然性があったのか、さらに言えば、東京名古屋を一時間で結ぶ鉄道がこの国の交通体系に本当に不可欠なのか、明確な必要性を訴える事など出来るとはとても思えません。

そもそも、都市のスプロール現象は、戦後の高度成長期に急伸した重厚長大化からの要請で始まり、急拡大した筈なのです。それを下から支えるために、というお題目の「列島改造のまつり神輿」に乗って出来上がったのが現在の交通体系だったと言えます。900兆円にも上るとも言われるこの国のインフラを、単純に機能を維持するだけでも毎年数兆円~十数兆円のお金が必要な筈です。人の移動について言えば、歩きや自転車やバイクを基本に、バスや鉄道を組み合わせれば、そんなに不自由は無いはずですし、貨物について言えば、鉄道コンテナやコンテナバンを効率的に運ぶ船と小型のトラック配送の組み合わせで、燃料効率の悪い長距離トラック便での輸送量は、大幅に抑制できる筈です。

システム構築は、最大デマンドに合わせて、十分な余裕をもったサイズが望ましいのでなく、小型のシステムを、必要に応じて台数を追加していく、積み上げ方式という考え方にシフトしていく必要があるでしょう。それは、既にコンピュータの世界では実現されてしまったとも言えますが、社会システム全体としては、やっとターニングポイントに差し掛かった、程度しか見えません。

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